「集中豪雨」 言葉の生みの親は新聞記者!?【天気のふしぎ】

 大量の雨が狭い地域で短時間に集中的に降ることを「集中豪雨」といいます。「集中豪雨」は梅雨の末期や秋の長雨の季節に、台風や発達した低気圧が接近、または上陸して、大量の水蒸気を含んだ暖かい空気を運んでくることによって、大気が不安定になるために起こります。
 いまでは天気予報やニュース、新聞でよく目にする「集中豪雨」ですが、言葉の生みの親は意外にも気象関係者ではなく、意外な人物でした。いったい誰が、いつから使い始めたのでしょうか。

※本記事は日本雑学研究会『お天気のミステリー』(毎日新聞社)から一部抜粋・再編集したものです。

 集中豪雨という言葉の生みの親は気象関係者ではなく、新聞記者だったのです。

 昭和28年(1953)8月14日、木津川上流で大雨が降り、死者・不明者429人を出す大きな被害をもたらしました。その翌日、「朝日新聞」(大阪本社版)の夕刊に、その水災害の記事が「集中豪雨 木津川上流に」という見出しで掲載されました。これが「集中豪雨」という言葉が用いられた最初とされています。

「集中豪雨」はその記事の本文でも、「寒冷前線は激しい雷と豪雨を伴って京都、滋賀、奈良府県境に当たる木津川上流に集中豪雨を降らせ・・・・・」と使われました。。

 新聞記者が創作した「集中豪雨」という言葉は、のちに気象用語として定着することになります。しかし、集中豪雨の範囲や雨量について、はっきりとした定義があるわけではありません
 「集中豪雨」に似た言葉に「集中豪雪」があります。この言葉は昭和38年(1963)1月23日の北陸豪雪に対して、気象庁が初めて用いたものですが、集中豪雨とは違って、まだ一般的ではありません。