小惑星リュウグウ試料にアミノ酸や水

生命と海の起源の謎を解く鍵に

 探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰った試料に多量の水が含まれていたとの分析結果を、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と北海道大学などの研究チームが6月9日付のアメリカ科学誌で発表しました。

 さらに10日にはJAXAと岡山大学などのチームが、同様の試料から23種類のアミノ酸を発見したことを発表。いずれも地球の海ができあがった仕組みや、生命の起源の解明につながる貴重な成果です。

リュウグウから持ち帰った粒子を入れて運搬する容器(手前)。地球の大気に触れないよう密閉されている=JAXAで2021年6月

 リュウグウから持ち帰られた石や砂などは計約5.4グラム。北海道大学などのチームは、この中に酸素と水素の原子が結合した水酸基という状態で水が多量に含まれていることを見つけました。

 太古の地球は高温のマグマのような状態だったと考えられており、大量の水が生じた仕組みを考える重要な材料となります。また、発見されたアミノ酸の中には生物の体を形作るたんぱく質の材料となるものが含まれており、これも生命の起源の謎に迫まるものとして今後の研究の進展が期待されます。

探査機「はやぶさ2」と小惑星リュウグウ

 「はやぶさ2」は、世界で初めて小惑星から物質を持もち帰った探査機「はやぶさ」の後継。地球と火星の近くを通る小惑星リュウグウを目指して2014年12月に飛び立ち、2度の着陸に成功。52億キロを旅しました。

はやぶさ2が持ち帰ったリュウグウの粒子= 東京都の日本科学未来館で2021年12月

 その時に採取した石や砂を入れたカプセルを2020年12月、オーストラリアの砂漠に着地させました。初代「はやぶさ」は地球に突入して燃え尽きましたが、「はやぶさ2」はその後 、約11年かけて別の小惑星「1998KY26」に向かっています。