本誌巻頭特集では、夏休みの自由研究でやってみたい、いろいろなアイデアを紹介しました。ここでは〝自分が楽しめる自由研究のテーマの見つけ方〟をバータ先生と一緒に考えてみましょう。
Bさん:自由研究、もう決めた? 昆虫採集して標本を作ろうと思ったんだけど、捕まえるのが難しい! 網から取り出そうとすると逃げちゃうんだよね
Aさん:そうそう。だから僕はこれを作ったよ。じゃーん! 網の縁に返しを付けて、虫が入れるけど出られない仕掛けを作ったんだ。お父さんと一緒にうまくいくまで何度も作り直した自信作だよ
Cさん:すごーい! 魚を捕る仕掛けと同じ構造になっているんだね。虫の研究より、その網を完成させるまでの過程をレポートした方が面白いんじゃない?
バータ先生:本当だね。みんな、早くから考えていてすごいな。先生は小学生の時、いつもギリギリで始めてたからね。そういえば、土の中に巣を作る地グモの研究をしたことがあるよ。巣の入り口を軽くたたくと、獲物がかかったと思ってクモが出てくるんだ。そんなふうにクモの習性を調べるのが楽しかったな。好きなことをやっていると、自然に研究したいことが出てくるよね
Cさん:うーん。でも、虫は苦手だし、実験は去年やったし、自由研究のキットを使うのもズルしてるみたいでイヤだなあ。何かみんなと違うことをやってみたいけど、どうやってテーマを探せばいいんだろう?
Bさん:スポーツでもお菓子作りでもハマってることでいいんじゃないかな。 バスケのシュートのコツなら僕も知りたいし、昆虫の形のクッキーを焼いてみるとか、どうかな? 実験結果はボクが食べてあげるよ!
Aさん:それはキミがつまみ食いしたいだけでしょ。キットを使ってもいいと思うよ。僕は去年、キットの実験を大失敗しちゃって、なんでうまくいかなかったかを考えてまとめたら、先生に面白かったって言われたもの
バータ先生:その通り! キットを使っても、家族と一緒に何かを作っても全然ズルじゃない。それが完成した時、やりとげた実感を持てるか、振り返ってみて何をどう感じ、考えたかをまとめることが大事なんだ。テーマ探しで迷っていたら、まずは紙に自分の好きなこと、得意なことを書き出してみて。目で見ると頭の中も整理されて、やりたいテーマがきっと見つかるよ。
協力:日能研、イラスト:しばざきとしえ