ロシアがウクライナに軍事侵攻してから、ニュースに「非核三原則(ひかくさんげんそく)」という言葉がひんぱんに出てくるようになりました。非核三原則は、核兵器を「持たず、作らず、持ちこませず」という日本政府の基本方針です。
日本は第二次世界大戦で、広島と長崎に原子爆弾を落とされました。戦争で原子爆弾を投下された国は、世界中で日本しかありません。原爆の恐ろしさを知る唯一の被爆国だからこそ、日本は核兵器のない世界を目指して非核三原則をかかげました。「持たず、作らず、持ちこませず」は、1967年に佐藤栄作首相が国会で表明した言葉で、核兵器を持たない、作らない、そして外国からの持ちこみを認めない、という意味です。
ロシア軍がウクライナへ侵攻している問題で、なぜ非核三原則の話が出てくるのでしょう。それは、ロシアのプーチン大統領が、核兵器の使用をほのめかしているからです。いつでも核兵器を使える状態だとちらつかせることで、ウクライナを支援するヨーロッパやアメリカをおどす目的もあると見られています。もし本当に核兵器が使われれば、多くの人々が犠牲になるだけでなく、世界を巻き込んだ核戦争が起こる可能性もあります。
このような状況から、非核三原則を守り続けていると、いざという時に日本国民の命が守られないのではないか、という意見が出てきています。岸田文雄総理大臣は、非核三原則の見直しはしないと言っています。(編集部)