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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

「体力」や「根性」だけじゃない アスリートのセカンドキャリアを支援する【起業家から君へ】

話を聞いたひと 小園翔太(こぞの しょうた)さん アーシャルデザイン代表取締役

週刊エコノミストで連載中の「挑戦者2021」。優れたアイデアや斬新なサービスで世の中を良くしようとする企業の取り組みを紹介しています。本サイトでは、誌面で紹介された「挑戦者」たちがどんな子どもだったのかを聞きました。※エコノミストオンライン「挑戦者2021」はこちら

体育会系人材一人一人の隠れた可能性を見いだし、キャリアチェンジを支援する。

 現役引退した元アスリートや体育会系学生に特化した人材紹介・就職支援を手がけています。体育会系人材というと、「打たれ強さだけが取りえ」というイメージが先行しがちですが、個別面談で一人一人の真の特性を引き出すことで、ミスマッチのないキャリアチェンジを実現させています。

 これまでに支援した体育会系人材は約5000人。その大半は、スポーツ選手として活躍してきた元アスリートです。全人生を競技にささげてきた人たちは、戦力外通告を受けると、人生の幕が下りたような感覚に陥ります。頼る先もなく、次に何をすればよいか分からない。実業団に所属していた人や、アルバイトをしながら練習してきた人たち以上に苦労するのは、スポンサー収入だけで生計を立ててきた人たちです。履歴書を書いた経験さえないというケースも少なくありません。

 相談にやってきた元アスリートには、面談や適性検査で、これまでの競技履歴をどうPRポイントにつなげられるかを一緒に考えます。例えば「毎朝4時に起きて40キロ走っていた」というのは、本人にとっては当たり前で、「人に言うほどではない」と思ってしまいがちなのですが、就職活動では大きな強みになります。一つのことを情熱を持ってやり遂げた経験のある若者が少なくなっている、という悩みを抱える企業が増えているのです。

こどもの頃はどんな性格でしたか?

恥ずかしがり屋だけれど目立ちたがり屋で、ゲームをしているよりも身体を動かす事が好きな子どもでした。

こどもの頃の夢を教えてください。

プロスポーツ選手です。

■こどもの頃によく読んでいた本があれば教えてください。

ONE PIECE(ワンピース)、HUNTER×HUNTER(ハンターハンター)、SLAM DUNK(スラムダンク)などのマンガをよく読んでいました。

仕事をしていてよかったこと、大変だったことを教えてください。

よかったことは、携わったひとから「ありがとう」と言ってもらえること、成長を実感できることです。大変だったことは、今も毎日が大変です。でも毎日が大変だからこそ「よかったこと」をご褒美だと思って頑張ることができます。

子どもたちにメッセージをお願いします。

勉強だけではない、自分だけの「得意」をぜひ見つけてください。もちろん勉強も大切です。一生懸命頑張ってください。でも、皆さんが大人になる頃には、勉強だけが出来ても、それは「ロボットやIT」がほとんど出来てしまいます。今もすでにそういう時代になってきています。「友達を作るのが得意」、「料理をするのが好き」、「工作をするのが得意」、なんでもいいです。僕は残念ながら、皆さんのように勉強は出来なかったかもしれませんが、「決める事」が得意でした。「自分でやる事を決める。」「誰かがやる事を決める。」その結果、大好きなスポーツの会社で社長をしています。小学生や中学生の頃には想像できなかった姿です。自分の得意を見つける事が、10年後、20年後の未来の自分につながっていきます。この拙い文を読んでくれた皆さんと、いつか一緒にお会いできることを楽しみに僕も仕事を頑張ります。(聞き手=市川明代 ・エコノミスト編集部)