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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

ブックガイド┃本屋大賞ノミネート作品を読んでみよう!

皆さんは「本屋大賞」をご存じですか?「本屋大賞」とは、全国の書店員が投票により「いちばん!売りたい本」を選ぶ賞のことです。読者に最も近い書店員さんが実際に読んでみて「これは面白かった」「これは他の人にも薦めたい」という作品がノミネートされます。

今年ノミネートされた10作品をすべて読んだ方もいるかもしれませんが、まだ読んでいない方、春休みに何を読もうか悩んでいる方に、読書アドバイザーの川崎綾子さんから、おすすめの本を教えてもらいました。

浅倉秋成 『六人の嘘つきな大学生』(KADOKAWA 刊)

 皆さんはミステリー小説は好きですか?ミステリー小説と言ってもいろいろなジャンルがありますが、この「六人の嘘つきな大学生」は正統派の謎解きが楽しめる小説です。主人公はとある有名なIT企業に就職を希望する6人の大学生たちです。この会社の就職活動でディスカッションなどを行うのですが、そこで事件が起こります。6人の過去が暴かれ、学生たちはお互い疑心暗鬼になってけん制しあいます。犯人は誰なのか?トリックがとても面白く、頭の体操にもなり、ミステリーを楽しむならこの一冊と言える作品です。その証拠に、『このミステリーがすごい!』や「週刊文春ミステリーベスト10」といったブック・ランキングにもランクインされました。推理小説が初めての人にもおすすめの本です。(川崎さん)


西加奈子 『夜が明ける』(新潮社刊)

 主人公は15歳の男子<俺>。高校1年生のときに、身長191センチの<アキ>と運命的な出会いを果たします。ごく普通の家庭に育った俺と、母親にネグレクトされていたアキは互いに惹かれ合い、共鳴し合うようになります。思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描きながら、人間の弱さや世間の理不尽さを描く、まさに青春時代に読むべき一冊です。決してきれいなシーンばかりではありませんが、まだ心と頭が柔らかい多感な時期に読んでほしいなぁと思います。
 最後の「この夜は、本当に明けるのだろか。苛烈に深く、暗い、この夜は。」の文章の答えは読み手の皆さんに委ねられています。(川崎さん)


「NPO 本屋大賞」HPより

 いかがでしたでしょうか。何から読んでみたらわからない方は、ぜひ上の2作品から手に取って読んでみてはいかがでしょうか。また、今回ご紹介された本屋大賞ノミネート作品以外にも読み始めたら止まらないような面白い本はたくさんあります。
 少し自由な時間が増える春休みは、お近くの本屋さんで好きな作家さんの本やジャンル、シリーズの本はもちろん、今まで読んだことないジャンルの本にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

紹介してくれた人はコチラ

川崎綾子(かわさき・あやこ)

川崎興産ホールディングス・メトロ書店代表取締役社長。1972年長崎市生まれ、熊本市在住。JPIC公認読書アドバイザー、自他共に認める活字中毒者、地元長崎のテレビやラジオ番組に長年にわたって出演。書店新聞「メトロニュース」編集長。


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