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だれかに話したくなる植物のふしぎ④~虫を食べちゃう植物編~【ニュースがわかるの本棚】

ほんとうはびっくりな植物図鑑

「雑草生態学」を専門とする農学博士で、静岡大学農学部教授の稲垣栄洋さんが監修した『ほんとうはびっくりな植物図鑑』から一部を抜粋して、「だれかに話したくなる植物のふしぎ」をご紹介します。

第4回目となる今回は「虫を食べちゃう植物編」です。
見た目は美しくても、虫たちにとってはこわ~い植物たちをご紹介します。

【前回の記事】ジャガイモのくぼみはらせん状で隣どうしの角度が決まってる!?

ハエトリグサは落ちてきた水滴と区別するため、2回目の刺激で虫を捕まえる

ハエルエトリグサは、モウセリンゴケ科の食虫植物で、草の高さ5~10cmと背が低く、二枚貝のように重なった葉を多数生やしています。 葉のまわりにはトゲが並び、 内側には3本ずつ小さな毛が生えています。

この毛がセンサーの役割を果たし、昆虫などが毛2回ふれると、開いていた葉が約0.5秒で閉じます。葉が閉じると同時に、まわりのトゲが内側に曲がり、「牢屋の鉄格子」のように、獲物を閉じこめてしまいます。

閉じこめられたハエなどの昆虫は、葉から分泌される消化液で何日間もかけてとかされ、養分として吸収されます。観賞用としても人気で、鉢植えなどで育てることができます。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

タヌキモは掃除機のように
虫を捕まえて食べる

タヌキモは、多年草の食虫植物で、池や沼、水田などの水面に浮かび、水の上には花軸だけがでます。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

水中にある葉の形が「タヌキの尾」に似ているため、タヌキモと呼ばれるようになりました。

虫を捕らえる袋状の捕虫嚢(ほちゅうのう)が水中にたくさんあり、袋をへこんだ状態からふくらますことで、バキュームカーのように一気に水を吸いこむことができます。

このとき、水と一緒にミジンコやダニなどの小さな生物を捕虫嚢の中に吸いこみ、消化・吸収するのです。

捕虫嚢の大きさは1~6mm程度とあまり大きくはありませんが、この洗練されたしくみによって、効率よく虫などを捕らえることができるのです。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

モウセンゴケは虫を捕まえて
しめあげてドロドロにとかす

モウセンゴケは、見た目がおどろおどろしいものが多い食虫植物のなかでは貴重な、美しい多年草です。

北半球の高山や寒地の湿地帯に広く分布し、日本では多くの都道府県で絶滅危惧種に指定されています。

モウセンゴケは、葉の一面に生えている腺毛(せんもう)の先端から甘い香りの粘液をだします。

香りにつられた虫が粘液にくっつくと、腺毛と葉が虫を包むように曲がり、虫を閉じ こめてしまいます。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

その後、閉じこめられた虫は腺毛から分泌される消化液によってドロドロにとかされ、 殻だけになってしまいます。 見かけと違って、虫たちにとって、とても恐ろしい植物なのです。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

いかがでしたでしょうか。他にも植物の不思議について知りたい方は、『ほんとうはびっくりな植物図鑑』をご覧ください。

来週は、虫や動物を使って賢く生き延びる植物たちの話をご紹介します。

紹介した本はコチラ

タイトル:
ほんとうはびっくりな植物図鑑
ありふれた草花の秘密がおもしろい!

著者:石井英男(文)稲垣栄洋(監修) 
   下間文恵(イラスト)
出版社:SBクリエイティブ
定価:1,320円

全国書店等にてお買い求めいただけます

書影をクリックすると本の通販サイト
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著者プロフィール

[監修]稲垣栄洋(いながき ひでひろ)

1968年静岡県生まれ。静岡大学農学部教授。農学博士。専門は雑草生態学。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省に入省。静岡県農林技術研究所上席研究員などを経て、現職。著書に、『生き物の死にざま』(草思社)、『身近な雑草の愉快な生きかた』(ちくま文庫)、『弱者の戦略』(新潮社)、『たたかう植物』(筑摩書房)、『面白くて眠れなくなる植物学』(PHP エディターズ・グループ)などがある。

[文]石井英男(いしい ひでお)

1970年大阪府生まれ。東京大学工学部材料学科卒業、東京大学大学院工学系研究科材料学専攻修士課程修了。ライター歴30年。高校生の娘と中学生の息子の親として子どもの教育に熱心で、小中学生向けプログラミング書籍も執筆。「CoderDojo 守谷」のメンターとして子どもたちにプログラミングを教えながら、市民農園を数年借りて野菜を育てたこともある。



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