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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

だれかに話したくなる植物のふしぎ③~なんでそんな形に?編~【ニュースがわかるの本棚】

「雑草生態学」を専門とする農学博士で、静岡大学農学部教授の稲垣栄洋さんが監修した『ほんとうはびっくりな植物図鑑』から一部を抜粋して、「だれかに話したくなる植物のふしぎ」をご紹介します。

第3回目となる今回は「なんでそんな形に?編」です。
ジャガイモの「目」の並び方には、なんと規則性があるようです。

【前回の記事】ドクダミはにおいでバイ菌を殺す

ジャガイモのくぼみはらせん状で
隣どうしの角度は約137.5度

ジャガイモはナス科の多年草で南アメリカのアンデス山脈が原産ですが、デンプンをたくわえる地下茎(芋)が食用になるため、世界中で栽培されています。

ジャガイモには、ビタミンCやカリウムなど豊富な栄養が含まれており、主食としても利用されています。

ジャガイモの芋にはくぼみがあり、そこから芽がでますが、その配置をよく見ると、らせん状に並んでいることがわかります。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

隣り合うくぼみとの角度は約137.5度になっています。 これは「黄金角」(おうごんかく)と呼ばれる角度で、そこから芽がでて葉が生えたときに、葉が重なり合うことなく日光に受けられる理想的な角度になっています。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

サボテンのトゲはもともと枝だった

サボテンは、サボテン科に属する植物の総称です。その種類は2000以上にもなります。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

サボテンの多くは多肉植物で、中に水をたくわえることができます。

形や大きさは品種によって異なり、球状のものやウチワ状に広がるもの、電柱のように上に伸びるものなど、さまざまなものがあります。

サボテンには茎も葉もないように見えますが、ウチワや柱のような形をしている部分は茎で、そこから花も咲きます(花はめったに咲きません)。

サボテンには多数のじょうぶなトゲがありますが、トゲは枝が形を変えたものです。 動物などに食べられないようにするために生えているのです。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

カボチャの茎はバネのように巻きつく

カボチャはウリ科のつる植物です。大きな実が食用となるため、世界中で栽培されています。

最近、8000年から1万年前には、人間によってカボチャが栽培されていたことが明らかになりました。

カボチャは、つるからバネのような巻きひげをだして、まわりの植物や構造物に絡まりながら伸びていきます。

雌花(めばな)と雄花(おばな)が別々で、虫によって受粉が行われます。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

そのため、虫があまりこない場所で実をつくるには、人工授粉の必要があります。カボチャの実には、ビタミンAやビタミンC、ビタミンEなどが多く含まれていて、栄養的にもすぐれています。 パイやプリンなどのお菓子にもよく使われています。

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

引用・稲垣英弘[監修]、石井英男[文]『ほんとうはびっくりな植物図鑑』SBクリエイティブ

いかがでしたでしょうか。他にも植物の不思議について知りたい方は、『ほんとうはびっくりな植物図鑑』をご覧ください。

来週は、虫を食べてしまう植物たちの話をご紹介します。

紹介した本はコチラ

タイトル:
ほんとうはびっくりな植物図鑑
ありふれた草花の秘密がおもしろい!

著者:石井英男(文)稲垣栄洋(監修) 
   下間文恵(イラスト)
出版社:SBクリエイティブ
定価:1,320円

全国書店等にてお買い求めいただけます

書影をクリックすると本の通販サイト
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著者プロフィール

[監修]稲垣栄洋(いながき ひでひろ)

1968年静岡県生まれ。静岡大学農学部教授。農学博士。専門は雑草生態学。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省に入省。静岡県農林技術研究所上席研究員などを経て、現職。著書に、『生き物の死にざま』(草思社)、『身近な雑草の愉快な生きかた』(ちくま文庫)、『弱者の戦略』(新潮社)、『たたかう植物』(筑摩書房)、『面白くて眠れなくなる植物学』(PHP エディターズ・グループ)などがある。

[文]石井英男(いしい ひでお)

1970年大阪府生まれ。東京大学工学部材料学科卒業、東京大学大学院工学系研究科材料学専攻修士課程修了。ライター歴30年。高校生の娘と中学生の息子の親として子どもの教育に熱心で、小中学生向けプログラミング書籍も執筆。「CoderDojo 守谷」のメンターとして子どもたちにプログラミングを教えながら、市民農園を数年借りて野菜を育てたこともある。



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