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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

流れ星を観る方法とは?~毎年10月中下旬は流れ星を見るチャンス~【ニュースがわかるの本棚】

 秋の夜長に流れ星を。毎年10月頃は、オリオン座流星群が活動のピークを迎え、天候に恵まれれば観測することができる「流れ星」です。
 オリオン座流星群とはハレー彗星を母天体(ぼてんたい)とする流星群で、毎年10月中旬~下旬が活動のピークとして知られています。

 国立天文台准教授の縣秀彦さんの著書『面白くて眠れなくなる天文学』から一部抜粋して、「流れ星を見る方法」をご紹介します。

 親子で夜空を眺めながら、流星観測を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 流れ星を見る方法を具体的に説明しましょう。流星観察では望遠鏡や双眼鏡は必要ありません。望遠鏡や双眼鏡を使うと見える範囲が狭くなってしまうため、一般の人の流星観察には適さないのです。肉眼で観察しましょう。

 まず、屋外に出てから暗さに目が慣れるまで、最低でも15分間は観察を続けるようにします。人間の目の瞳孔(どうこう)は明るいところで小さく、暗いところで大きくなりますが、順応には時間が必要です。個人差がありますが、10分以上、地上の明るい光源(水銀灯やネオンサインのような街明かり、車のヘッドライトなど)が直接、目に入ってこないようにして目の感度を上げておきます。

 次に、流れ星が空のどこを飛ぶかは予測がつきません。群流星(ぐんりゅうせい)の場合も、必ず放射点のある星座の近くで見えるわけではないので、見上げる位置を気にする必要はありません。ネオンのある場所、あるいは明るい月のある方角は避けたほうが見やすくなります。

 群流星の場合、放射点近くでは、こちらに向かって飛んでくるため、ゆっくりとした動きで短い経路のみ輝きます。一方、 放射点から離れたところでは、素早い動き長い線を引いて輝きます。したがって、放射点の位置を確認できれば、どちらの方向からどちらに向かって、どれくらいのスピードで群流星が流れるかを予想することもできます

 風邪をひかないための防寒対策をしっかり行い、リラックスした姿勢で、無理せず楽しんでください。

紹介した本はコチラ

タイトル:
面白くて眠れなくなる天文学

著者:縣秀彦
出版社:PHP研究所
定価:825円

全国書店等にてお買い求めいただけます

面白くて眠れなくなる天文学 縣秀彦 PHP研究所

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著者プロフィール

縣秀彦(あがた・ひでひこ

1961年長野県生まれ。国際天文学連合(IAU)・国際普及室スーパーバイザー、大学共同利用機関法人自然科学研究機構国立天文台・准教授。総合研究大学院大学・准教授、宙ツーリズム推進協議会・代表、信濃大町観光大使、日本文藝家協会会員ほか。
東京学芸大学大学院修了(教育学博士)。東京大学教育学部附属中・高等学校教諭等を経て、現職。『怖くて眠れなくなる天文学』(PHPエディターズ・グループ)、『地球外生命は存在する! 』(幻冬舎)、『星の王子さまの天文ノート』(河出書房新社)、『日本の星空ツーリズム』(緑書房)、『ヒトはなぜ宇宙に魅かれるのか』(経済法令研究会)など多数の著作物を発表。2000年よりNHK高校講座(「地学基礎」など)、2009年よりNHKラジオ深夜便(「ようこそ宇宙へ」など)に出演中。