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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

中学入試の我が子のために親ができること③【日能研スタッフに聞く】

中学入試に向けた塾での勉強も、本格的な仕上げの期間。しかし、勉強にまだ身が入らなかったり、あせりだしたり、逆に過大な不安を感じ始めたり……というお子さんもいます。親はどう向き合えばいいのでしょうか。「未来への学び」を掲げ、毎年1万人を超える子どもたちの中学受験をサポートしてきた日能研。そのベテランスタッフのアドバイスを4回にわたってお届けします。

塾の先生が知っている学校の「情報」

Q:塾の先生とは、どのようにコミュニケーションをとればいいでしょうか。

A:特に「100日前」前後には、親子で「本当に行きたい学校はどこか」について、とことん話をしておいてほしいですね。「どんな学校生活を送りたいのか」「何に関心があって、何をやりたいのか」――。社会の変化は激しく、今後親の成功体験は恐らくあまり通用しないでしょう。親はいろいろな視点を子どもに示して一緒に考えながら、子ども自身がどのように生きていこうとしているのか、最終的に子ども自身が決められるようにしてほしい。

 今年は学校訪問が難しいと話しましたが、イベントや説明会の日ではない、普通の日に志望校に親子で一緒にでかけてみるのもいいかもしれません。学校を校門からのぞくだけでも、その学校生活をイメージできる一助になるはずです。

 最終的な受験校選びの時期には、塾の先生たちが知り得ている「情報」は、大いに役に立つはずです。学校施設や学費、大学進学状況などの客観的なデータは、ホームページなどでいくらでも確認できます。

 しかし、生徒に文化祭を仕切らせるのはなぜか、なぜ部活を週2回に限っているのか、普段の先生と生徒との関係はどうかなど、その学校が開学以来大切にし、学校生活の背骨になっていることは、データには現れにくい。塾の先生は、学校訪問や塾の卒業生の話などから多くのことを長年見聞きし、膨大な「情報」を持っています。

 また、家庭にいるときとは恐らくちょっと違う、塾でのお子さんの姿を、仲間と過ごしているときの様子も知っています。

 塾の先生のアドバイスも踏まえ、お子さんとも十分にキャッチボールを重ねながら、志望校を増やし、各校への思いを高めていく。そして、受験日程をシミュレーションし、繰り上げ合格までをも視野に入れて、進学する希望順位を決めておく。それが、この時期に最も大切なことです。それだけ準備できていれば、当日になって慌てることが少なくなるでしょう。

                   続きは10月25日に配信予定です。