【ニュースがわかる2024年7月号】巻頭特集は「沸騰」する地球の未来

スクールエコノミスト2024 WEB【目黒日本大学中学校編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は目黒日本大学中学校を紹介します。

失敗からも多くのことを学べる。ルーブリックが体験を力に変える

<注目ポイント>

①選抜された全国の日大付属生と共に学ぶケンブリッジ大学語学研修

②すべての教科の礎となる読解力、語彙力を育むHRでの新聞学習

③失敗を恐れず、新たな学びを得る指針となる学校ルーブリック

世界を知るケンブリッジ大学語学研修

 2019年に日本大学の準附属校となり、志願者が年々増え続ける注目の目黒日本大学中学校。教育理念に『しなやかな強さを持った自立できる人間を育てる』を掲げ、様々な取り組みをしている。

 日本大学の学術交流指定校であるケンブリッジ大学のペンブルック・カレッジ短期留学もその一つだ。日本大学全付属校生を対象に選抜された高校生がケンブリッジ大学と日本大学が共同で建設した施設において、合同で語学研修に参加する。各校、春休みに3名、夏休みに2名の生徒のみが参加を許される狭き門でもある。

 現地では、各地の日大付属校生とともにケンブリッジ大学寮に滞在。また、同大学の学生が常に帯同し、サポートもしてくれる。午前中の講義は語学のほかにも現地教員による文化、歴史などを学び、午後には同大学生とともに様々なアクティビティに参加する。「特にサマーシーズンは、ケンブリッジという街に欧州を中心に世界中から人々が集まり、彼らとの交流もある。英国文化を肌で感じ、国際的な交流と共に視野、見聞を広める中身の濃い貴重な機会」と本間裕之中学校教頭。

 さらに現地で共に学ぶ他校の優秀な生徒から刺激を受けることも多い。帰国後も交流を続け、友情を育む生徒もいるという。

 昨年度の夏のプログラムに参加した高2生は、国際系分野に進学希望だったが、社会科学的な学びが必要と法学部で国際法などを学びたいと進路の変更を決めた。また、国立難関大学を目指していた高1生は、海外大学進学も視野に入ったという。このように同プログラムで新しい世界を知った生徒たちは、さらなる高みを自ら目指し始めている。

読解力を鍛える朝15分の新聞学習

 同校では、毎朝15分のHRで曜日ごとに新聞学習、読書、English Dayの活動を行う。週2回の新聞学習では文章読解力や表現力育成のため、『天声人語』を読み、自己の考えを文字にして表現。また、記事を読むことで時事問題にも関心を持つきっかけにもつなげる意図もあるという。

 中1では感想、中2では感想と国語の設題への解答、中3は感想と要旨まとめと、学習内容が発展。その後、高校でも週2回継続され、読解の問題演習など大学入試の作問を念頭により実践的な演習へとつなげていく。

 「中1という早い段階から良質な文章に触れることで、高校生では語彙力、読解力が向上したことが数値的にも表れている」と本間教頭は、その学習効果を語った。