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スクールエコノミスト2024 WEB【 山梨学院高等学校 通信制課程編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は特別編として、山梨学院高等学校 通信制課程を紹介します。

こんな高校生活もあり⁉ まるで大学のような高校【山梨学院高等学校通信制課程】

<注目ポイント>

 開設2年目を迎えた山梨学院高等学校通信制課程。従来の概念を覆す斬新なスタイルで「多様な学び」を提供し、様々な理由から「学校へ行かない」選択をした子どもたちの学びへの意欲をサポートし、各自が描く夢の実現を全力で応援している。

「学校へ行かない」選択をする子どもたちに新たな学びの場を提供

 山梨県甲府市で、幼稚園から大学院まで一貫した教育の機会を提供する学校法人C2C Global Education Japan。山梨学院高校をはじめ、幼稚園、小学校でいち早くIB教育に取り組み、現在はそのノウハウを生かして国際標準の教育を実践している。その教育内容はアジア諸国を中心に海外でも評価されている。

 「山梨学院高校は、以前から『特進』『進学』という2つのコースを設けて、勉強に打ち込む生徒も、スポーツや芸術・芸能などに打ち込む生徒も、各自が全力で自分の夢に向かえるよう、環境を整え、生徒の頑張りを応援してきました。その結果、進学実績や各種大会においても、一定の成果を上げることができています。一方で、近年は、スポーツや芸術、芸能、あるいは社会活動など、学校生活以外のことに真剣に取り組みたいという理由から、全日制高校へ進学しないという選択をする子どもが増えています。また、中学時代、あるいは高校入学後に、学校へ行かなくなった子どももいます。彼らはいうなれば、学校へ行かないという選択をした子どもたち。その意思を尊重し、新たな学びの場を提供しようと設立したのが、本校の通信制課程です」と吉田正校長。2023年4月、オンデマンドのオンライン授業と年2回のスクーリングを軸に、全日制で培ってきた経験と大学・短大併設校である山梨学院ならではのメリットを最大限に活用した、まったく新しい通信制高校がスタートした。

山梨学院高等学校通信制課程 吉田正校長

自由で開放的なキャンパスと、オンデマンドのオンライン授業

 広々とした自然豊かな環境に、アカデミックな校舎が並ぶ山梨学院大学の一角にキャンパスはある。生徒たちは、思い思いの服装で、世界50各国以上の提携校からやってきた留学生や、カレッジスポーツの第一線で活躍するアスリートたちに交じって闊歩し、大学図書館で資料を探したり、大学の学食やカフェで友人と会話を楽しんだりと、まるで大学生のように学校生活を送ることができる。Wi-Fi完備のフリースペースは常に開放されていて教員やスタッフが常駐。その時居合わせた生徒同士、学年の垣根を越え、交流する姿も見られる。個室も整備され、落ち着いた雰囲気のなかで、教員やスタッフのサポートを受けながら、オンライン授業を受けたりレポートに取り組んだりと、各自のペースで学びを進めていく。

 「通学するか否かは生徒の自由ですが、私たちは、誰がいつ来ても良いように常に受け入れ態勢を整えています。中学時代には不登校だったり保健室登校だったりした生徒が、これまで経験してきた学校とは違う、自由で開放的な大学生活を肌で感じるなかで、視野が広がり、新しい夢を見つけて、『自分も大学生になって、こんな勉強をしたい』と目を輝かせながら話してくれるようになるケースも少なくありません」と池渕彩乃・事務職員が笑顔を見せる。

授業は完全オンラインとなっていて、充実した教科書とリンクした5分程度の授業ビデオを5~6本視聴することで一単元を修了する。オンデマンドなので視聴する時間や場所、回数の縛りは一切なく、自宅でも、遠征先や活動拠点などでも受講が可能。理解できるまで何回でも繰り返し視聴して学びを深めることもできる。

 一方、スクーリングについては、遠方からの生徒の経済的、時間的負担を考え、年2回程度に留めるとともに、保護者も参加できる学校行事を組み合わせて、より参加しやすい状況を作っている。「スクーリングや学校行事は、楽しかった、行って良かったと思える機会にしたいと考えています。今夏のスクーリングには、雄大な富士山を間近で見てもらおうと、校外学習として富士急ハイランドへ行きました。みんな楽しそうに交流していて、社会性を育む機会ともなったようです」。学校行事もバラエティに富んでいて、すでに開催しているハロウィンやクリスマスなどのパーティに加え、今後は、大学の学園祭への出店なども検討していく予定だという。