【ニュースがわかる2024年7月号】巻頭特集は「沸騰」する地球の未来

スクールエコノミスト2023 WEB【 東海大学付属望星高等学校 (通信制)編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は特別編として、通信制高校の東海大学付属望星高等学校を紹介します。

いつでも、どこでも、誰でも学べる高校

<注目ポイント>

 戦後の通信制高校に初めてFMラジオによる教育を導入した、東海大学付属望星高等学校。現在はオンデマンド配信による質の高い通信講座に加え、人間力を養うスクーリングで、大学進学を目指す学生が多く集まる。その人気の秘密に迫った。

学びたくても学べない若者に学びの機会を提供

 戦後の日本は、急速な経済成長と社会の変革の渦中にあり、経済的制約や社会情勢により、学びたくても学べない多くの若者が存在した。そんな状況を打破しようと挑んだのが、東海大学の創立者、松前重義氏である。松前氏は、日本初となるFMラジオを活用した学習システムを導入し、1959年4月に東海大学付属望星高校の前身である東海大学付属高等学校通信教育部を開設した。

 FMラジオによる学習システムの導入は、経済的な状況や居住地域にかかわらず、一貫した教育をどこからでも受けることが可能となるという新たなパラダイムを生み出した。進学したくてもできなかった向学心あふれる若者に、学びの機会が提供されたのだ。

 そして現在、東海大学付属望星高等学校はさらなる進化を遂げている。かつてFMラジオを通じて教育を行っていた学校は、インターネットの普及でより多くの生徒が質の高い教育を受けられるようになった。どこにいても、どんな状況でも、自分の学びを追求するという松前氏の理念が今も変わらず堅持されているのだ。

東海大学付属望星高等学校 吾妻俊治校長

生徒の過去より、未来に焦点を当てたバックアップ体制

 東海大学付属望星高等学校は、学力の育成だけでなく、社会性や人間力の育成にも重きを置いている。入学生のバックグラウンドは多様で、人間関係に悩む子、難関校の中退者、特技や芸術を追求する子、そしてスポーツや芸能活動に情熱を持つ子どもが在籍している。

 子どもたちの成長を身近でサポートする教員の多くは、東海大学の全日制高校での教育経験を持つ。そのため朝の挨拶や声掛けを積極的に取り入れるなど、全日制高校で培った経験をベースにこうした生徒との信頼関係の構築に力を注いでいる。教員の多くは、多様な背景を持つ生徒たちは、人の気持ちの傷みを理解し、気遣いができる子が多いと感じている。それだけに、いじめなどの深刻な問題が起こりにくく、学校生活を前向きに楽しもうとする雰囲気が少しずつ醸成されるのだという。

 吾妻俊治校長は次のように語る。「生徒一人ひとりの背景は多様ですが、私たちは彼らの過去よりも、将来は大学で学びたい、自らの特技を生かしたいなど、これから何を望み、どうなりたいかに焦点を当てています」。過去についての詳細はクラス担任が把握しているが、それは生徒一人ひとりを理解し、より効果的な支援をするためであって、それ自体が目的ではないと吾妻校長は考えているのだ。