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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

スクールエコノミスト2023 WEB【桐朋中学校編】

多分野に卒業生を輩出してきた 名門伝統校ならではの進学支援体制

 桐朋の進路指導は、大学受験だけに特化せず、その先の生徒の将来を視野に入れていることが特徴だ。なかでも、生徒が進路を考えるモチベーションを上げることを重視し、「自分が将来何をやって生きていきたいのか、そのためには何が必要かを考えさせることが大切。それにはやはり“人との出会い”が大きく影響する」と柿澤教諭は語る。そのための取り組みとして挙げられるのが高1、高2に各1回開催される「在校生卒業生懇談会」、通称「在卒懇」だ。OBとのつながりが強い桐朋だからこそできる伝統的な行事で、60年以上の歴史を誇る。高1ではより年齢の近いロールモデルとして卒業後10年目の様々な分野のOBを20数名招き職業観などの話を聞く。各教室で顔と顔を突き合わせたクラス単位で聞くことで、よりOBの話は生徒に響くという。さらに夏休みには「私の将来」と題する作文を執筆。それを冊子にまとめ、学年全体で共有する。「同級生の考えを知ることで刺激を受け、また進路の視野を広げる意図もある」と柿澤教諭。高2では大学教授、大学等で研究職に就くOBを招き、専門の研究分野や大学での学びについて語ってもらう。そのほか、医学部に進学したOBが在校生を支援する組織もあり、コロナ前には現役医師による特別講義のほか、受験対策や合格体験記が記載された「医学部受験対策冊子」の配布もある。

 OBは自分たちが桐朋での素晴らしい学びを体験したからこそ、後輩の力になりたいという思いを抱き、このような支援が代々受け継がれているのだろう。柿澤教諭が「本校の財産は人」と語るように、桐朋では自律的な学習者を育むとともに、社会や他者への貢献を惜しまない高い人間性も培っているのは間違いない。

(文/松岡理恵)

●学校データ

所在地       〒186-0004 東京都国立市中3-1-10

TEL        042-577-2171

学校公式サイト   https://www.toho.ed.jp

海外進学支援    有

帰国生入試     無

アクセス

国立駅(JR中央線)徒歩15分

谷保駅(JR南武線)徒歩15分

国内外大学合格実績(過去3年間)

東京、京都、東京工業、一橋、北海道、東北(医)、大阪、九州、東京医科歯科、東京外国語、東京藝術、筑波(医)、千葉(医)、東京都立、横浜市立(医)、国際教養、防衛医科、気象、慶應義塾(医)、早稲田、上智、順天堂(医)、東京慈恵医科、日本医科など