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スクールエコノミスト2023 WEB【富士見中学校編】

スクールエコノミストは、私立中高一貫校の【最先進教育】の紹介を目的とした「12歳の学習デザインガイド」。今回は富士見中学校を紹介します。

6年間の段階的なプログラムが実践を伴った深い思考力を育成する

<3つのポイント>

①中学の探究学習で「問う」「調べる」「伝える」などの基礎力を磨く

②高1ではSDGsをテーマに、アクションにつながる探究学習を実践

③6年間の集大成「学びの履歴書」が、“学びのループ”を生み出す

人と関わり、「問う」「調べる」「伝える」力を養う 中学での徹底した探究学習

 「社会に貢献できる自立した女性の育成」を目指す富士見中学校高等学校。同校が力を入れているのが『探究学習』だ。校内に探究学習専門の組織が設置されており、中高6年間を通した独自のプログラムがつくられている。

 中1で取り組むのが、「モノ」をテーマにした探究学習だ。2022年度は「モノ」を題材に、どうしたらものづくりを循環型にできるかを考えた。探究の第一歩として、循環型社会の実現を目指す産廃業者の工場を見学。他に、東京理科大学教授の講演を聞くなど人と関わりながら理解を深め、調べたことや考えを電子書籍にまとめる活動を行った。

 中2では、フィールドワークを実践する。「未来の街 NERIMA2030~住み続けるまちづくりのために私たちができること」をテーマに、街に飛び出して観察、インタビューを行った。練馬区役所や区内のNPOの協力を得て、自分たちで課題を発見し、解決のアイデアを発表した。

 そして中3。中学の学びの集大成として取り組むのが「my探究」だ。「今興味のあること」「解決したい課題」などをひたすらピックアップし研ぎ澄まして、取り組むべきテーマを見つけ出し、中1・2で学んだ手法を生かして調査を実施、自分の主張を組み立てるところまで高めていく。とはいえ、簡単ではない。6学年の探究学習を支援している宗愛子司書教諭は、こう話す。

 「生徒1名、教員1名で行うテーマ決定のための面談を、まず生徒の話を聞き、それに対してひたすら教員が問いを投げかけるという形で行っています。教員がアドバイスするのではなく、問題意識を炙り出すこと、自ら考えることが目的の場。ここで問答を繰り返すことで、グッと意識が高まり、テーマが磨かれるんです」

高校生の発表を中学生も聞く中高合同の発表会 

高校ではより主体的に! SDGsなどをテーマに思索を深める

 高校では、中学で培った「問う」「調べる」「伝える」力を礎に、より実践的な探究学習に取り組むことになる。

 高1で行われるのは、SDGsをテーマにした探究学習だ。「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「質の高い教育をみんなに」など自分の関心のあるテーマでグループをつくり、フィールドワークやインタビューを行って社会の課題を体感。課題解決のためのポスター掲示、ボランティアなど行動に移すことを重視する。「中学での積み重ねがあるため、皆、主体的に学びに取り組んでいます。今年度は『学んだことを小学生に伝えたい』と出前授業を行うグループや、野菜くずでクレヨンをつくるグループなどが出てきて活動も多彩でした」と宗教諭。富士見から着実にソーシャルアクションが生まれているという。

“学びのループ”を生む6年間の集大成「学びの履歴書」

 高2・3は、卒業研究「学びの履歴書」に挑戦。テーマ探しの手助けとなるのが、書籍を手がかりに発想し、思考を広げる「探究型読書」。ベースとなるのは、自然科学を研究する理化学研究所と本の可能性を追求する編集工学研究所が展開する「科学道100冊」の取り組み。本を読む前にタイトルを見て内容を想像する、目次から内容を予測して本の帯を作るといったワークを通じ、新しい発想や柔軟な思考を育むことを目的とする。

 テーマが決まったら、1万字以上の論文作成に取りかかる。ある高3生は「論文で書いたことが授業内容とリンクすることも多く、自主的に調べ、考えるという“学びのループ”が生まれる」とメリットを語っている。そして2022年度は、完成した論文の一つが「図書館を使った調べる学習コンクール」で優秀賞・活字文化推進会議賞を受賞した。

 同校の探究学習は、教員も例外なく全員が関わり、また、発表会などで保護者が関わるケースも多い。「教科・学校・家庭の垣根を超えて6年間真剣に取り組む。だから濃くて深い学びを実践できるのです」(宗教諭)。

(文/秋山由香)

●学校データ

所在地       〒176-0023 東京都練馬区中村北4-8-26

TEL        03-3999-2136

学校公式サイト   http://www.fujimi.ac.jp

海外進学支援    

帰国生入試     

アクセス

中村橋駅(西武池袋線)徒歩3分

荻窪駅・阿佐ヶ谷駅(JR中央線)よりバス「中村橋」下車徒歩2分

鷺ノ宮駅(西武新宿線)よりバス「中村橋」下車徒歩2分

国内外大学合格実績(過去3年間)

東京、一橋、北海道、東北、大阪、九州、神戸、筑波、東京医科歯科、東京農工、東京外国語、お茶の水女子、千葉、弘前(医)、福井(医)、鳥取(医)、慶應義塾、早稲田、上智、国際基督教、東京理科、日本医科、獨協医科(医)、東邦(医)日本(医)、杏林(医)、帝京(医)、埼玉医科(医)など