1945年8月9日に長崎に落とされた原子爆弾(原爆)の被爆体験者44人(うち4人死亡)が、長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付などを求めた訴訟の判決が9月9日、長崎地方裁判所でありました。(「Newsがわかる2024年11月号」より)
判決は爆心地の東側の旧矢上、旧古賀、旧戸石の3村(現在は長崎市)にいた原告15人(うち2人死亡)を被爆者と認め、県と市に手帳の交付を命じました。
3村では原爆投下後に「黒い雨」が降ったと認め、「放射性降下物が降った相当程度の蓋然性(確からしさ)が認められる」と判断しました。
一方、3村以外にいた原告29人は「放射性降下物が降った事実は認められない」として訴えを退けました。過去の調査では雨に加え、灰などに関する証言も多くありましたが、灰などから健康被害が生じた可能性は認めませんでした。
原告弁護団の足立修一弁護士は「被爆体験者の中に分断を持ち込む判決。原爆が(雨だけでなく灰なども含めた)放射性降下物をまき散らした事実を見ようとしていない」と判決を批判しました。
「一部勝訴」と書かれた紙を掲げる支援者ら。左端は被爆体験者で原告団長の岩永千代子さん=長崎市で9月9日
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