インド下院の総選挙が6月4日開票され、モディ首相が率いる与党インド人民党(BJP)は小選挙区543議席のうち240議席にとどまり、単独過半数を割り込みました。(「Newsがわかる2024年8月号」より)
与党連合全体では過半数を確保しましたが、モディさんの圧倒的な人気に陰りが見えました。3期目のモディ政権は政策の進め方の修正を迫られることになりそうです。
一方、最大野党の国民会議派は前回の52議席から99議席に躍進しました。選挙で協力した地域政党も議席を増やし、野党連合では下院議席全体の4割を占めました。
インドは2023年度の国内総生産(GDP)の成長率が8%を超えるなど高い経済成長を続ける一方、若者の失業は深刻で、増え続ける労働力人口に見合った雇用をつくり出せていません。国際通貨基金(IMF)によると、2023年の1人当たりGDPは中国の約5分の1にあたる2500ドル(約39万円)にとどまりました。IT(情報技術)産業などで働く高所得者はごく一部で、労働力人口の半数近くを占める農業や関連産業で働く人々からは生活が苦しいことを嘆く声が上がっています。

インド人民党本部に到着したモディ首相=インド・ニューデリーで6月4日、ロイター/共同
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