存在感増す中国ってどんな国?【ニュース知りたいんジャー】

 最近、国際社会で中国の存在感が増し、アメリカなど警戒している国も少なくありません。中国とはどんな国なのでしょうか。知りたいんジャーが調べました。【長岡平助】

 ◇中国って大きいよね!

 中国は、正式には中華人民共和国といいます。 国土は約960万平方㌔㍍で、日本の約26倍です。人口は世界一で、14億人を超えています。人口を抑えるために、1979年から産む子どもの数を制限する「一人っ子政策」をとっていましたが、2016年になくなりました。世界最古の文明の一つである「黄河文明」に始まる中国の歴史はとても古く、長くアジアの中心でした。漢字など、日本にも多くの影響を与えました。しかし1840年に起こったアヘン戦争でイギリスに敗れて以降、ヨーロッパ諸国による植民地化(侵略して治めること)が進みました。香港(ホンコン)はこの時期にイギリスに奪われ、1997年に中国に返されるまで、イギリスのものでした。明治時代に入ると、日本も中国に手を伸ばしました。

 ◇日本とは政治や経済の仕組みが違うの?

 植民地化が進む中、清という王朝が倒れ、1912年に中華民国が生まれました。初代のトップになった孫文は、19年に中国国民党を作りました。一方で21年に、土地や工場などのモノを国が管理する社会主義という考えを掲げる中国共産党が誕生しました。30年代に日本が中国への支配を強めると、中国国民党と中国共産党は協力して戦いました。ところが第二次世界大戦(39~45年)で日本が負けた後、主導権をめぐって二つの党は争いました。勝った中国共産党は49年に中華人民共和国を建国し、一党独裁の政治を始めました。負けた中国国民党は台湾に逃れ、中華民国として正統性を主張しました。 アメリカや日本などは初め、自由な経済活動を進める資本主義の仲間である台湾の中華民国を中国を代表する政府として扱いました。しかし巨大な中華人民共和国を次第に無視できなくなり、70年代に正式に関係を持つようになりました。同じころ、国連の中国代表も中華人民共和国になりました。

 ◇豊かになっているんだよね?

 1970年代から、中国は社会主義を守りながら資本主義を取り入れる「改革・開放政策」をとりました。92年には「社会主義市場経済」を打ち出し、実質的に、自由な経済を認めました。世界一の人口と豊富な資源などを背景に、経済は急速に拡大していきました。 現在、中国のGDP(国内総生産)。国内で1年間に作り出されたモノやサービスの総額)は約1427兆円で、世界一のアメリカ(約2143兆円)の7割ほどです。日本は約508兆円です(2019年、1㌦=100円で計算)。私たちの身近なところにも、中国企業の製品やサービスを見かけます。短い動画を投稿して楽しむ「ティックトック」は中国のバイトダンス社のサービスです。 しかし国全体が豊かになる一方で、豊かな人とそうでない人の格差が広がっています。また政治は一党独裁のままなので、国の方針に沿ないものは許されません。例えば、世界中の自由な考えに触れられる短文投稿サイト「ツイッター」や検索サイト「グーグル」といったアメリカの会社のサービスは、中国では利用が制限されています。

 ◇人権の問題が指摘されているけど…

 豊かになる中で、自由や人権を求める声もあります。しかし中国では日本やアメリカのようには認められていません。1989年には、デモ隊と軍が衝突し、多くの死者やけが人が出た「天安門事件」が起こりました。イギリスから返された後「1国2制度」として、自由や人権が保障されていた香港でも、2014年に中国のふるまいに反発した市民が警察と衝突しました。中国は香港の選挙制度を変えさせたり、デモの関係者を捕らえさせるなどして支配を強め、国際社会から批判されています。 少数民族への抑圧も指摘されています。中国の人口の約9割は漢民族ですが、他に少数民族がいます。中国南西部にある「チベット自治区」や北西部にある「新疆(しんきょう)ウイグル自治区」、北部にある「内モンゴル自治区」などでは、少数民族独自の言葉や歴史などを重んじる人たちへの弾圧があるといわれています。特に新疆ウイグル自治区の人たちに対しては、近年「ジェノサイド(大量虐殺)」が行われているとして、アメリカやヨーロッパの国々は批判を強めています。

 ◇最近アメリカと仲が悪いって本当?

 近年、中国とアメリカの対立が目立つようになりました。理由の一つに、経済的な問題があります。中国とアメリカの貿易は長くアメリカ側の赤字が続き、特に2000年代の初めから赤字の額が大きくなりました。中国から入ってくる安い製品がアメリカの産業を苦しめているとして、アメリカは中国のいくつかの製品に税金をかけて輸入しにくくしました。中国も対抗してアメリカの製品に税金をかけました。 また豊かな経済力を背景に、世界中に進出する中国への警戒もあります。 中国は2013年に「一帯一路」という考えを打ち出しました。アジアとヨーロッパを陸路と海上航路でつないで、貿易を活発化させるのが狙いとされます。そのために沿線にある発展途上の国々に、積極的にお金を貸すなどして影響力を強めています。 軍事力も強化しています。2020年の軍事費は、約19兆1000億円で、アメリカに次ぐ世界第2位です。力を見せつけるような行動が南シナ海や台湾海峡、日本海などで続き、周辺の国や地域を脅かしています。(2021年06月09日掲載毎日小学生新聞より)