縄文人はスーパースター!?【月刊Newsがわかる11月号】

みんなで見守ろう「地域猫」【ニュース知りたいんジャー】

「地域猫《ちいきねこ》」という言葉《ことば》を聞《き》いたことがありますか? 飼《か》い猫《ねこ》でもなく、野良猫《のらねこ》でもない地域《ちいき》で見守《みまも》る猫《ねこ》のことです。どんな猫《ねこ》なのか、知《し》りたいんジャーと一緒《いっしょ》に調《しら》べてみましょう。

 なぜ見守《みまも》る必要《ひつよう》があるの?

 なぜ飼《か》い猫《ねこ》ではない猫《ねこ》を、地域《ちいき》で見守《みまも》る必要《ひつよう》があるのでしょうか。実《じつ》は、猫《ねこ》の繁殖力《はんしょくりょく》はとても強《つよ》いのです。
 メス猫《ねこ》は生後《せいご》4~12か月《げつ》で出産《しゅっさん》できるようになります。1回《かい》の出産《しゅっさん》で1~8匹《ぴき》ほどの子猫《こねこ》を産《う》み、年《ねん》2~3回《かい》の出産《しゅっさん》が可能《かのう》です。オス猫《ねこ》と交尾《こうび》することにより、1匹《ぴき》のメス猫《ねこ》から1年《ねん》後《ご》に20匹《ぴき》以上《いじょう》、2年《ねん》後《ご》に80匹《ぴき》以上《いじょう》に増《ふ》えることができるという試算《しさん》があるほどです。

 野良猫《のらねこ》を放置《ほうち》しておくと、たくさんの猫《ねこ》がごみをあさったり、人《ひと》の住《す》む家《いえ》や利用《りよう》する場所《ばしょ》をトイレにして悪臭《あくしゅう》を発生《はっせい》させたりするなど、人間《にんげん》の生活《せいかつ》が脅《おびや》かされてしまいます。また、それを防《ふせ》ぐため猫《ねこ》が捕獲《ほかく》されて引《ひ》き取《と》り手《て》がいないと、殺処分《さつしょぶん》されてしまいます。人間《にんげん》の住《す》む地域《ちいき》の環境《かんきょう》と、猫《ねこ》の命《いのち》の両方《りょうほう》を守《まも》るために、見守《みまも》る必要《ひつよう》があるのです。

アパート裏で、カラスよけの傘の下に置かれた餌を食べる地域猫たち

 街《まち》の野良猫《のらねこ》をどうするの?

 放《ほう》っておくと増《ふ》えすぎてしまう街《まち》の野良猫《のらねこ》に対《たい》しては、まず繁殖力《はんしょくりょく》を抑《おさ》えます。餌《えさ》やりを続《つづ》けて観察《かんさつ》し、捕《つか》まえて動物病院《どうぶつびょういん》に連《つ》れて行《い》き、メス猫《ねこ》に対《たい》しては不妊手術《ふにんしゅじゅつ》を、オス猫《ねこ》に対《たい》しては去勢手術《きょせいしゅじゅつ》を行《おこな》い、子《こ》どもをつくれないようにします。その後《ご》は地域《ちいき》に戻《もど》します。
 こうした取《と》り組《く》みは、trap(トラップ=捕獲《ほかく》)、neuter(ニューター=不妊《ふにん》・去勢手術《きょせいしゅじゅつ》)、return(リターン=元《もと》の場所《ばしょ》に戻《もど》す)の頭《かしら》文字《もじ》をとってTNR活動《かつどう》と呼《よ》ばれます。ただ、これだけでは野良猫《のらねこ》に戻《もど》って街《まち》の人《ひと》たちに迷惑《めいわく》をかけてしまうことがあるので、餌《えさ》をやり、トイレを用意《ようい》したり掃除《そうじ》してあげたりして地域《ちいき》で管理《かんり》します。そうやって地域《ちいき》の人《ひと》たちに見守《みまも》られた、いわば地域《ちいき》の飼《か》い猫《ねこ》が地域猫《ちいきねこ》なのです。

 どうやって見分《みわ》けるの?

 不妊《ふにん》・去勢手術《きょせいしゅじゅつ》を終《お》え、地域《ちいき》に戻《もど》ってきた猫《ねこ》たちには、ある特徴《とくちょう》があります。片方《かたほう》の耳《みみ》の先《さき》がV字形《じがた》に切《き》り取《と》られているのです。メスは左《ひだり》耳《みみ》、オスは右《みぎ》耳《みみ》の先《さき》が切《き》り取《と》られます。桜《さくら》の花《はな》びらのように見《み》えることから、V字形《じがた》に切《き》り取《と》られた耳《みみ》をサクラ耳《みみ》と呼《よ》んだり、サクラ耳《みみ》を持《も》つ猫《ねこ》をサクラネコと呼《よ》んだりすることもあります。

 耳《みみ》を切《き》り取《と》るのはかわいそうと思《おも》われるかもしれません。でも、手術《しゅじゅつ》を受《う》けていない野良猫《のらねこ》と勘違《かんちが》いされ、動物愛護《どうぶつあいご》センターなどに持《も》ち込《こ》まれて殺処分《さつしょぶん》される心配《しんぱい》がなくなるので、とても大事《だいじ》なことです。獣医師《じゅういし》によると、不妊《ふにん》・去勢手術《きょせいしゅじゅつ》を受《う》ける際《さい》に一緒《いっしょ》に麻酔《ますい》をするので、手術《しゅじゅつ》中《ちゅう》も、その後《ご》も痛《いた》みはないそうです。
 サクラネコの中《なか》には、TNR活動《かつどう》だけで街《まち》に戻《もど》ってきた猫《ねこ》もいるので、地域猫《ちいきねこ》となるには地域《ちいき》の協力《きょうりょく》が欠《か》かせません。

左耳がV字形のサクラ耳のメスの地域猫・サビ

 誰《だれ》がお世話《せわ》をするの?

 街《まち》の環境《かんきょう》を損《そこ》なわないようにするため、餌《えさ》やりやトイレの管理《かんり》を通《つう》じて地域猫《ちいきねこ》を世話《せわ》するのは、市民《しみん》のボランティア(自発的《じはつてき》に無償《むしょう》で行《おこな》う活動《かつどう》や人《ひと》のこと)です。また、自治体《じちたい》(地域《ちいき》の役所《やくしょ》・役場《やくば》)によってはTNRや地域猫《ちいきねこ》活動《かつどう》に必要《ひつよう》な費用《ひよう》などを助成《じょせい》し、市民《しみん》の活動《かつどう》を支援《しえん》したり連携《れんけい》したりしています。

 行政《ぎょうせい》と連携《れんけい》してボランティアと地域住民《ちいきじゅうみん》との橋渡《はしわた》しをしたり、地域猫《ちいきねこ》についての取《と》り組《く》み方《かた》を伝《つた》えたりするNPO法人《ほうじん》などの市民団体《しみんだんたい》も、重要《じゅうよう》な役割《やくわり》を果《は》たします。
 例《たと》えば、東京都豊島区《とうきょうととしまく》のNPO法人《ほうじん》「東京《とうきょう》キャッツアイ」は、決《き》まった時間《じかん》と場所《ばしょ》で地域猫《ちいきねこ》に餌《えさ》をやり、猫《ねこ》がトイレにしている場所《ばしょ》を掃除《そうじ》しています。また、同《どう》足立区《あだちく》のNPO法人《ほうじん》「あだち動物《どうぶつ》共生《きょうせい》ネットワーク」では、「餌《えさ》やりさん」として活動《かつどう》するボランティアと連絡《れんらく》をとりあって地域猫《ちいきねこ》活動《かつどう》を支援《しえん》するなど、さまざまな団体《だんたい》が地域《ちいき》の実情《じつじょう》に応おうじた活動《かつどう》をしています。

東京キャッツアイのスタッフに見守られ、キャットフードを食べる地域猫・サビ

 成果《せいか》は出《で》ているのかな?

 環境省《かんきょうしょう》によると、地域猫《ちいきねこ》の活動《かつどう》は神奈川県横浜市磯子区《かながわけんよこはましいそごく》で始《はじ》まりました。磯子区《いそごく》は1999年《ねん》、野良猫《のらねこ》の被害《ひがい》に悩《なや》む人《ひと》たちと猫《ねこ》を守《まも》りたいと考《かんが》える人《ひと》たちが知恵《ちえ》を出《だ》し合《あ》い、人《ひと》と猫《ねこ》が共生《きょうせい》する地域猫《ちいきねこ》の考《かんが》え方《かた》を取《と》り入《い》れた飼育《しいく》ガイドラインを作成《さくせい》しました。その取《と》り組《く》みが全国各地《ぜんこくかくち》に広《ひろ》まっていったのです。

 こうした取《と》り組《く》みの成果《せいか》もあって、引《ひ》き取《と》り手《て》がないなどの理由《りゆう》で殺処分《さつしょぶん》された全国《ぜんこく》の猫《ねこ》の数《かず》は、2006年《ねん》度《ど》の22万《まん》8373匹《びき》から一貫《いっかん》して減《へ》り続《つづ》け、2023年《ねん》度《ど》には6899匹《ひき》になりました。多《おお》くのボランティアが行政《ぎょうせい》と連携《れんけい》して地域猫《ちいきねこ》活動《かつどう》を続《つづ》けてきた東京都台東区《とうきょうとたいとうく》では、野良猫《のらねこ》が地域猫《ちいきねこ》となって寿命《じゅみょう》を全《まっと》うし、街中《まちなか》で猫《ねこ》を見《み》かけなくなったほどだと区《く》の担当者《たんとうしゃ》はいいます。
 地域猫《ちいきねこ》活動《かつどう》について環境省《かんきょうしょう》動物愛護《どうぶつあいご》管理《かんり》室《しつ》の担当者《たんとうしゃ》は「猫《ねこ》のことを苦手《にがて》だと思《おも》う人《ひと》の理解《りかい》も得《え》ることが大切《たいせつ》です」と話《はな》し、地域《ちいき》全体《ぜんたい》で協力《きょうりょく》していくことの重要性《じゅうようせい》を強調《きょうちょう》しました。

(2025年ねん12月がつ17日にち毎日小学生新聞まいにちしょうがくせいしんぶんより)

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