世界を変えるリーダーシップ【月刊Newsがわかる2月号】

みんなで見守ろう「地域猫」【ニュース知りたいんジャー】

地域猫ちいきねこ」という言葉ことばいたことがありますか? ねこでもなく、野良猫のらねこでもない地域ちいき見守みまもねこのことです。どんなねこなのか、りたいんジャーと一緒いっしょ調しらべてみましょう。

 なぜ見守みまも必要ひつようがあるの?

 なぜねこではないねこを、地域ちいき見守みまも必要ひつようがあるのでしょうか。じつは、ねこ繁殖力はんしょくりょくはとてもつよいのです。
 メスねこ生後せいご4~12かげつ出産しゅっさんできるようになります。1かい出産しゅっさんで1~8ぴきほどの子猫こねこみ、ねん2~3かい出産しゅっさん可能かのうです。オスねこ交尾こうびすることにより、1ぴきのメスねこから1ねんに20ぴき以上いじょう、2ねんに80ぴき以上いじょうえることができるという試算しさんがあるほどです。

 野良猫のらねこ放置ほうちしておくと、たくさんのねこがごみをあさったり、ひといえ利用りようする場所ばしょをトイレにして悪臭あくしゅう発生はっせいさせたりするなど、人間にんげん生活せいかつおびやかされてしまいます。また、それをふせぐためねこ捕獲ほかくされてがいないと、殺処分さつしょぶんされてしまいます。人間にんげん地域ちいき環境かんきょうと、ねこいのち両方りょうほうまもるために、見守みまも必要ひつようがあるのです。

アパート裏で、カラスよけの傘の下に置かれた餌を食べる地域猫たち

まち野良猫のらねこをどうするの?

 ほうっておくとえすぎてしまうまち野良猫のらねこたいしては、まず繁殖力はんしょくりょくおさえます。えさやりをつづけて観察かんさつし、つかまえて動物病院どうぶつびょういんれてき、メスねこたいしては不妊手術ふにんしゅじゅつを、オスねこたいしては去勢手術きょせいしゅじゅつおこない、どもをつくれないようにします。その地域ちいきもどします。
 こうしたみは、trap(トラップ=捕獲ほかく)、neuter(ニューター=不妊ふにん去勢手術きょせいしゅじゅつ)、return(リターン=もと場所ばしょもどす)のかしら文字もじをとってTNR活動かつどうばれます。ただ、これだけでは野良猫のらねこもどってまちひとたちに迷惑めいわくをかけてしまうことがあるので、えさをやり、トイレを用意よういしたり掃除そうじしてあげたりして地域ちいき管理かんりします。そうやって地域ちいきひとたちに見守みまもられた、いわば地域ちいきねこ地域猫ちいきねこなのです。

 どうやって見分みわけるの?

 不妊ふにん去勢手術きょせいしゅじゅつえ、地域ちいきもどってきたねこたちには、ある特徴とくちょうがあります。片方かたほうみみさきがV字形じがたられているのです。メスはひだりみみ、オスはみぎみみさきられます。さくらはなびらのようにえることから、V字形じがたられたみみをサクラみみんだり、サクラみみねこをサクラネコとんだりすることもあります。

 みみるのはかわいそうとおもわれるかもしれません。でも、手術しゅじゅつけていない野良猫のらねこ勘違かんちがいされ、動物愛護どうぶつあいごセンターなどにまれて殺処分さつしょぶんされる心配しんぱいがなくなるので、とても大事だいじなことです。獣医師じゅういしによると、不妊ふにん去勢手術きょせいしゅじゅつけるさい一緒いっしょ麻酔ますいをするので、手術しゅじゅつちゅうも、そのいたみはないそうです。
 サクラネコのなかには、TNR活動かつどうだけでまちもどってきたねこもいるので、地域猫ちいきねことなるには地域ちいき協力きょうりょくかせません。

左耳がV字形のサクラ耳のメスの地域猫・サビ

だれがお世話せわをするの?

 まち環境かんきょうそこなわないようにするため、えさやりやトイレの管理かんりつうじて地域猫ちいきねこ世話せわするのは、市民しみんのボランティア(自発的じはつてき無償むしょうおこな活動かつどうひとのこと)です。また、自治体じちたい地域ちいき役所やくしょ役場やくば)によってはTNRや地域猫ちいきねこ活動かつどう必要ひつよう費用ひようなどを助成じょせいし、市民しみん活動かつどう支援しえんしたり連携れんけいしたりしています。

 行政ぎょうせい連携れんけいしてボランティアと地域住民ちいきじゅうみんとの橋渡はしわたしをしたり、地域猫ちいきねこについてのかたつたえたりするNPO法人ほうじんなどの市民団体しみんだんたいも、重要じゅうよう役割やくわりたします。
 たとえば、東京都豊島区とうきょうととしまくのNPO法人ほうじん東京とうきょうキャッツアイ」は、まった時間じかん場所ばしょ地域猫ちいきねこえさをやり、ねこがトイレにしている場所ばしょ掃除そうじしています。また、どう足立区あだちくのNPO法人ほうじん「あだち動物どうぶつ共生きょうせいネットワーク」では、「えさやりさん」として活動かつどうするボランティアと連絡れんらくをとりあって地域猫ちいきねこ活動かつどう支援しえんするなど、さまざまな団体だんたい地域ちいき実情じつじょうおうじた活動かつどうをしています。

東京キャッツアイのスタッフに見守られ、キャットフードを食べる地域猫・サビ

成果せいかているのかな?

 環境省かんきょうしょうによると、地域猫ちいきねこ活動かつどう神奈川県横浜市磯子区かながわけんよこはましいそごくはじまりました。磯子区いそごくは1999ねん野良猫のらねこ被害ひがいなやひとたちとねこまもりたいとかんがえるひとたちが知恵ちえい、ひとねこ共生きょうせいする地域猫ちいきねこかんがかたれた飼育しいくガイドラインを作成さくせいしました。そのみが全国各地ぜんこくかくちひろまっていったのです。

 こうしたみの成果せいかもあって、がないなどの理由りゆう殺処分さつしょぶんされた全国ぜんこくねこかずは、2006ねんの22まん8373びきから一貫いっかんしてつづけ、2023ねんには6899ひきになりました。おおくのボランティアが行政ぎょうせい連携れんけいして地域猫ちいきねこ活動かつどうつづけてきた東京都台東区とうきょうとたいとうくでは、野良猫のらねこ地域猫ちいきねことなって寿命じゅみょうまっとうし、街中まちなかねこかけなくなったほどだと担当者たんとうしゃはいいます。
 地域猫ちいきねこ活動かつどうについて環境省かんきょうしょう動物愛護どうぶつあいご管理かんりしつ担当者たんとうしゃは「ねこのことを苦手にがてだとおもひと理解りかいることが大切たいせつです」とはなし、地域ちいき全体ぜんたい協力きょうりょくしていくことの重要性じゅうようせい強調きょうちょうしました。

(2025ねん12がつ17にち毎日小学生新聞まいにちしょうがくせいしんぶんより)

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