骨に着目した健康増進法を研究している広島大学大学院准教授の黒坂志穂さんに、おどろきの骨のチカラや、骨を強くするエクササイズを教えてもらいました。(「Newsがわかる2025年5月号」より)
一生の土台が決まる10代
人間の骨の形成には、とても重要な時期があります。それは、1年に身長が5、6センチのびる時期もある成長期(5~20歳)です。
実は赤ちゃんの骨は、すべて軟骨です。5歳ごろから全身の軟骨がかたい骨(硬骨)になっていき、その過程で骨がのびます。骨全体の軟骨が端へと追いやられて、真ん中からかたくなって硬骨が生まれ出てくるイメージ。こうして骨がのびて、身長が高くなるのです。同時に、骨密度も高くなり、20歳前後でピークを迎えます。
その後は、年齢とともにゆるやかに低下していきます。

子どもの骨の先端には、必ず骨端線がある。成長軟骨板とも呼ばれ、軟骨でできている。レントゲン撮影すると写る

骨密度がもっとも高くなるのは、女性が20歳前後、男性が25歳前後といわれる。ただ、かなり個人差がある