特別展「昆虫 MANIAC」の展示のまとめ役は、科博研究員で昆虫博士の井手竜也さん(37)です。今回の展覧会は虫だけでなく、その不思議を解き明かすことに熱中する研究者のマニアックな仕事の一面も知ることができます。(「Newsがわかる2024年9月号」より)
最初はテントウムシで泣いていた
井手さんは長崎市生まれ。山の近くにある自宅には小さな虫がよく入ってきました。幼い頃は小さなテントウムシでも怖くて泣いたそうです。
高校の生物部で昆虫の面白さ、不思議さを知って研究者の道へ。植物に卵を産み付けて「虫こぶ」という構造をつくり、その中で幼虫を育てる体長わずか数ミリのタマバチの研究が専門です。「その多様性や生態はまだ謎が多く、調べることがたくさんあります」と目を輝かせます。

井手さんが高校時代、最初に面白い昆虫だと思ったオジロアシナガゾウムシ(国立科学博物館提供)