もし「パリ協定」の目標を達成できなかったら60~70年後の日本は今と比べてどうなっているでしょう。文部科学省と気象庁は、世界の平均気温の上昇を2度未満に抑えられた場合と、対策を取らず4度上昇してしまった場合について、今世紀末の日本の姿を2種類のシナリオにそって描いています。「たった2度の差」と思うかもしれませんが、その影響はとても大きいのです。(「Newsがわかる2024年7月号」より)
なぜ地球は暑くなる?
「2度未満」と「4度上昇」、どちらのシナリオにしても21世紀末の日本の平均気温は上昇します。多くの地域で猛暑日や熱帯夜の日数が増え、冬日は減ると予想されていますが、「4度上昇シナリオ」の方が上昇や増加の度合いが大きいことがわかります。ちなみに、東京の猛暑日は2014年以降、多くの年で10日を超えています。暑かった昨年は22日でした。
他にも雪が降ったり、積もったりすることが減り、「猛烈な」と表現される台風が発生する回数が増えるとも予想されています。