【ニュースがわかる2024年6月号】巻頭特集は地震大国ニッポン 被害を減らすために

ヤングケアラーを知ろう

「ヤングケアラー」を呼ばれる、家族を介護する子どもたちがいます。ヤングケアラーの実態はあまり知られておらず、支援も進んでいません。友だちから孤立したり、進学や就職をあきらめざるをえなくなったりしてしまうケースがあり、近年その問題性が強く指摘されています。

  ヤングケアラー  病気や障害、精神的な問題などを抱える身近な家族の介護や世話をしている子どもや若者のこと。

介護する子ども3万7000人
15~19歳 8割が通学中

 毎日新聞が総務省の2017年の「就業構造基本調査」を独自に分析したところ、祖父母や親、きょうだいなど家族を介護している15~19歳の子どもが3万7100人いて、その約8割(3万7000人)が学校に通いながら介護していることがわかりました。「介護する10代」の現状が全国規模で判明したのは初めてです。

ケアの頻度(回数) 毎日3割

 大阪府内の高校生約5000人を対象に行った調査(2016年1~12月)では、ケア(介護や家事など)する家族がいて、自分がケアしていると答えた人は272人いました。

 ケアする相手は、祖母129人▽祖父61人▽母55人――――などで、ケアの内容は「家事」が最も多く、ケアの頻度は「毎日」が33.5%、「週に4,5日」が11.8%と毎日のようにしている生徒が半数近くにものぼりました。

埼玉で全国初の「ケアラー」支援条例

 ヤングケアラーを支援する全国初の条例が20年3月27日の埼玉県議会で全会一致で可決、成立しました。家族ら身近な人の介護・世話を無償でしている人をケアラー、うち18歳未満をヤングケアラーと定義し、教育の機会を確保し、成長や自立を図られることを目的にしました。

イギリスは1980年代から調査

 すでに対策を進めている国もあり、そのひとつであるイギリスでは1980年代末からヤングケアラーの実態調査や支援を実施。2011年時点で18歳未満のヤングケアラーは少なくとも約16万6000人いて、2014年からヤングケアラーの実態把握や適切なサービスの提供を自治体に義務づけられています。
 オーストラリアでは、他の子どもと同じ権利が守られると法律に明記され、ヤングケアラーのための奨学金などの支援制度があります。

ヤングケアラー経験のある人の
話を聴いて考えてみよう

 20年6月号「月刊ニュースがわかる」では、ヤングケアラーの経験があり、いまは若い介護者の就職や転職を支援する会社をつくった方のお話を紹介しています。

 なぜ子どもたちが介護を担うケースが増えているのか、介護などに時間をとられるとどんな問題が発生するのか、そしてヤングケアラーを支えるために何が必要なのか、親子で考えてみましょう。

さらに知りたい方へ

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ヤングケアラー
介護する子どもたち

著者:毎日新聞取材班
出版社:毎日新聞出版
定価:1760円(税込)

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