じりじりと肌を焼くような暑さが今年も待ち受けています。2023年の世界の平均気温は観測を始めてから最も高くなりました。そして国連は、今年はさらに暑くなる可能性があると予測します。地球はなぜ暑くなっているのでしょう。このままだと私たちの住む世界はどうなってしまうのでしょう。夏本番を前に考えてみませんか。(「Newsがわかる2024年7月号」より)
統計を取り始めた19世紀末から、世界の平均気温は年ごとに上下しながらも全体としては上がっていることが下のグラフからわかります。
地球が暖かくなっていく現象を「地球温暖化」と言います。地球は太陽のエネルギーによって暖められています。暖められた熱の一部は大気中の二酸化炭素(温室効果ガス)に吸収され、地球上に残ります。大気中の二酸化炭素の量が適度なら気温はほどよく保たれますが、増えると熱は余分に残ってしまいます。すると、地球全体の気温は上がってしまうのです。
厳しい暑さの中、東京・渋谷を歩く人たち=2023年7月
世界の国々は、こうした地球温暖化を含む気候変動への対策として「パリ協定」というルールを設け、18世紀の産業革命前の気温と比べて世界の平均気温の上昇を「2度より低く、できれば1.5度に抑えよう」という目標をかかげています。
しかし、国連の世界気象機関(WMO)によると、すでにその値は1.45度に達しています。
◆地球温暖化をめぐるニュースあれこれ
・G7は、二酸化炭素を減らす対策が取られていない石炭火力発電について2030年代前半に段階的に廃止することで合意(4月30日)
・熱中症対策で、夏の甲子園は開幕から3日間、開始時間を午前と夕方に分ける「2部制」に(4月19日)
・EUの気象機関によると、今年4月の世界の平均気温は観測史上最高に
・国連の専門機関によると、2022年の二酸化炭素の世界の平均濃度が観測史上最高に
発電するために石油や石炭といった化石燃料を燃やすことで大気中の二酸化炭素が増えます。台所でガスを燃やしたり、自動車でガソリンを使ったり、テレビを見て電気を使ったりすることも二酸化炭素の排出につながっています。
また、弾薬や燃料を多く使い、建物や森林、畑などが焼かれる戦争も二酸化炭素を増やす大きな要因になっています。二酸化炭素の一部は、森や海が吸収しています。
環境省のホームページをもとに作成。CO₂は二酸化炭素、O₂は酸素
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