コンビニエンスストア(コンビニ)は、英語のConvenience(便利な)Store(店)という意味です。食料品や日用品などを販売し長い時間営業している小売店で、1927年にアメリカに現れたといわれています。日本では1970年代から、フランチャイズ方式で急速に店舗数を増やしました。約50年後の現在、大手3社だけで全国に5万店以上あり、売り上げは約11兆円になっています。(「Newsがわかる2024年2月号」より)
JR山手線の高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)の中にあるコンビニ「TOUCH TO GO」は2020年3月、駅の開業に合わせてオープンしました。ベンチャー企業、TOUCH TO GO(TTG、同区)が開発した無人決済システムによる最先端のコンビニの一つです。売り場やレジに店員はいません。お客さんが買いたい商品を取ってレジに立つだけで、AIが自動的に合計金額を計算してくれます。
店内の天井に付けた約50台のカメラと、商品棚に付けた重量センサーのデータを組み合わせ、誰が何を買うのかをAIがすぐに判断します。お客さんが選んだ商品を自分のバッグなどに入れても大丈夫。レジではAIが判断した買い物内容がモニター画面に表示されます。お客さんはそれを確認し、電子マネーやクレジットカード、現金で代金を支払います。
店側は人手にかける費用を7割以上減らせる一方、お客さんはレジで行列を作らずに早く買い物ができるなど、画期的な仕組みです。

JR高輪ゲートウェイ駅の中にあるコンビニ「TOUCH TO GO」=TTG提供

コンビニ店内に設けられたカメラと重量センサー=TTG提供

無人決済システムを開発したTTGの波川敏也副社長は「いつでも、誰でも簡単に買い物ができるシステムを目指した」といいます。事前に登録する必要がなく、当たり前に利用できる店を世の中に広めるためです。
開発から約3年半でAIの正確さは着実に進化。初めは電子マネーだけだった支払い方法は、クレジットカードや現金にも対応できるようになり、商品の品ぞろえは増えています。

TTGの無人決済システムを使った中部国際空港内のコンビニ「ANA FESTA GO」=愛知県常滑市で(TTG提供)
TTGの無人決済システムを取り入れたコンビニなどのお店は2023年11月、全国で100カ所に達しました。オフィスビルや空港、学校などに広がっていますが、波川さんは増やすスピードをさらに速めたいといいます。新しい技術なので、企業などは導入に慎重ですが、波川さんは「使ってもらえれば便利さがわかってもらえる」と話しています。

TTGの無人決済システムの売り場(右)の隣に、インターネットを通じて商品説明などが受けられる場所を設けた化粧品会社オルビスの店舗=東京都立川市で(TTG提供)
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