週刊エコノミスト編集部が執筆する毎日小学生新聞「15歳のニュース」内コラム「これって経済? 」は、経済にまつわる数字を解説します。
今回の気になる数字は「5万円」。お父さんのお小遣い・・・ではなさそうです。何の数字を表しているのか、詳しくみてみましょう。
モノの値段が上がって、家計のやりくりが苦しくなっている人が増えているので、政府は所得が低い世帯に5万円を配ることを決めました。
食料品や電気代などが急に上がるなか、貧しい人にお金をあげて生活を助けてあげること自体は、賛成の人も多いと思います。
しかし、実際に誰(だれ)を対象にすべきなのか、をめぐってはいろいろ意見があるようです。政府は今回、「住民税が非課税の世帯」を対象にする、と決めました。
住民税は、給料などにかかる税金です。働いて稼(かせ)いだお金が一定額以上だと、自分が住んでいる市や区などの自治体に税金を払(はら)います。それが非課税ということは、稼いだお金が少ないということだから、対象になって当然と思うかもしれなません。
ところが、話はそう簡単ではない。稼ぐお金は少なくても、貯金がたくさんあるお金持ちもいます。働いていないが、持ち家に住んでいて生活にも困っていないお年寄りがいる一方で、子育てしながら、家賃を払(はら)い、苦しいながらも住民税を払っている若い世代もいます。
配るお金の総額は8500億円と見込(みこ)まれていますが、その7割以上が高齢者(こうれいしゃ)世帯にいってしまうとの試算もあります。
「これは不公平だ」という声が出るのもうなずけるのではないでしょうか。本当に困っている人にお金を配るのが一番いいに決まっていますが、それを見分けるのは結構、難しいのが現実です。
(毎日小学生新聞 22年9月24日掲載より)
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