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【ニュースがわかる2024年6月号】巻頭特集は地震大国ニッポン 被害を減らすために

古代メキシコ文明 神々への祈り

古代メキシコに発展した、「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」などの古代都市。人々は高度な文明によって栄える一方、厳しい自然環境と戦う中で神をうやまい、おそれ、祈りをささげていました。今に残る古代都市の遺跡群や出土品から、当時の人々の暮らしや信仰に思いをはせてみましょう。(「Newsがわかる2023年7月号」より)

 メキシコの大部分と中央アメリカの国々の一部を指すメソアメリカ。

 ここには紀元前1500年ごろに発展したオルメカ文明を皮切りに、紀元前1200年から16世紀のスペインによる侵攻まで続いたマヤ文明、紀元前100~550年に栄えたテオティワカンなどの多様な文明が花開きました。それぞれ暦や文字などの知識を持つ王や貴族を中心に、独自の高度な文明を築いていたのです。

 火山の噴火や地震、干ばつなどの厳しい自然環境の中で、人々は神に祈るための儀礼や、動物を生きたまま神に供えるいけにえの儀式を発展させました。

 当時の人々の深い信仰心は、ピラミッドに残る神々の彫像や出土品にも表れています。400~800年ごろの都市国家・パレンケの王妃とみられる「赤の女王」のマスクが1994年に発見されるなど、古代メキシコ文明にはまだ謎が多く、今後の発掘や研究が待たれています。

マヤ文明の彫像・出土品

トニナ石彫171

マヤ文明、727年ごろ トニナ、アクロポリス、水の宮殿出土 メキシコ国立人類学博物館蔵 ©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Archivo Digital de las Colecciones del Museo Nacional de Antropología. INAH-CANON

赤の女王のマスク・冠・首飾り

マヤ文明、7世紀後半 パレンケ、13号神殿出土 アルベルト・ルス・ルイリエ パレンケ遺跡博物館蔵 ©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Foto: Michel Zabé

テオティワカン文明の彫像・出土品

死のディスク石彫

テオティワカン文明、300~550年 テオティワカン、太陽のピラミッド、太陽の広場出土 メキシコ国立人類学博物館蔵 ©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Archivo Digital de las Colecciones del Museo Nacional de Antropología. INAH-CANON

鳥形土器

テオティワカン文明、250~550年 テオティワカン、ラ・ベンティージャ出土 メキシコ国立人類学博物館蔵 ©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Archivo Digital de las Colecciones del Museo Nacional de Antropología. INAH-CANON

アステカ文明の彫像・出土品

鷲の戦士像

アステカ文明、1469~1486年 テンプロ・マヨール、鷲の家出土 テンプロ・マヨール博物館蔵 ©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Museo del Templo Mayor

トラロク神の壺

アステカ文明、1440~1469年 テンプロ・マヨール、埋納石室56出土 テンプロ・マヨール博物館蔵 ©Secretaría de Cultura-INAH-MEX. Museo del Templo Mayor

特別展「古代メキシコ─マヤ、アステカ、テオティワカン」
会期:6月16日(金)~9月3日(日)
会場:東京国立博物館 平成館(東京・上野公園)
開館時間:9:30~17:00(土曜は19:00まで、6月30日~7月2日、7月7日~9日は20:00まで)
休館日:月曜、7月18日(火) ※7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館