科学コミュニケーターの本田隆行さんと相棒のボットンが、日常のあちこちに潜む科学を探っていきます。今回は蛍光灯、LED、何が違うの?「照明の原理」をナゾ解き!(「Newsがわかる2025年2月号」より)

まずは、うちにあるLED照明の光り方から話そうか。そもそも「LED」って、どういう意味だと思う?
えー! 「LED」に意味なんてあったの!?
電気を流すと光る仕組みの「発光ダイオード」を英語にした「Light Emitting Diode」の頭文字をとってL、E、Dなんだよ
えええ頭文字だったのか! で、LEDはどうやって光るのさ?
LEDの光る部分は、二つの「半導体」という材料を重ねた作りになってるんだ。その両サイドから電気を流すと、片方からはプラスの電気を持った“あな”が、もう片方からはマイナスの電気を持った“つぶ”が流れてきて、ちょうど材料の境目でぶつかる。すると……
すると……、“あな”に“つぶ”が入っちゃうんじゃない? スポン!って
そう! そうなんだよ。その時のエネルギーで光ってるんだ。一方、蛍光灯はどうやって光るかというと、ここで活躍するのは、さっき出てきたマイナスの電気を持った“つぶ”だ
蛍光灯は“つぶ”の方だけなんだね。またどこかにスポッと入るの?
それが違うんだ。蛍光灯の中には水銀蒸気が入っていて、そこに電気を通そうとすると、管の中を勢いよく“つぶ”が飛んでいく。そして、“つぶ”と水銀が当たると紫外線が出るんだ
紫外線って、日焼けの元だね。あれ? 紫外線って目に見えたっけ?
それが見えないんだよね。かわりに蛍光灯の管の内側には紫外線が当たると光る「蛍光塗料」が塗ってあるんだ。蛍光灯の光って、蛍光塗料の光なんだよ
同じように見えても、仕組みが全然違うんだね!!

LEDを光らせる部分は、プラスの電気をおびた“あな”を持つp型半導体(※)と、マイナスの電気をおびた“つぶ”を持つn型半導体からできている。これに電気を流すと、プラスの電気を持った“あな”とマイナスの電気を持った“つぶ”がぶつかって結合。この時、お互いが持っていた余分なエネルギーが光として放たれる(※物質には電気をよく通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」があり、この二つの中間的な性質を持つのが「半導体」)
でもさ、なんで同じような光なのに、いろんな仕組みがあるのさ?
確かに、不思議に感じるよね。実は、照明にはいろんな歴史があってね。ボットン、エジソンさんって知ってる?
知ってるよ! 電球を発明した人でしょ? 有名人だよね!
エジソンさんの発明した電球を改良すべく、後に真空にしたガラスの中を流れる電流の研究が進んだんだ。この「真空放電」の研究の延長で生まれたのが蛍光灯だよ
へ~、電球から蛍光灯はつながってるんだね、知らなかった!
一方、LEDは、レーザー光の研究から生まれたよ。昔は赤と緑のLEDしか作れなくて、これだとどう組み合わせても白色の光が作れないんだ
赤や緑って、なんだかクリスマスみたいだ……
ところが、1990年以降に青色LEDが発明されて、ついに白い光がLEDで作れるようになったんだ。ここからLEDの光が、世界中で使われるようになってきたわけさ
へ~! 時代が一気に変わってきたんだね。だから本ちゃんは、蛍光灯を見て「なつかしい」って言ってたのか~。納得!!
イラスト:こばやし あさみ
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