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会社をつくってみよう!【キッズ起業塾】

会社の作り方や役割について学ぶオンラインイベント「キッズ起業塾」が2021年12月27日に開かれました。毎日新聞出版と毎日小学生新聞の共催で、全国から小学4~6年生20人が参加し、「環境に良いエコTシャツ」をテーマに商品開発や販売、決算を模擬体験しました。

会社ごとにユニークなTシャツを企画

プログラムを作成したセルフウイングの平井由紀子先生が講師役を務め、会社づくりの流れを説明しました。子どもたちは5人ずつ4班に分かれて会社をつくって「社長」「会計マネージャー」「宣伝マネージャー」などの役割を決め、どんなTシャツを開発するか、話し合ってアイデアを一つにまとめました。各班にサポーター役の大人が1人入って議論がスムーズに進むようにお手伝いしました。

©セルフウイング

「途上国の子どもたちに寄付するため、水を運んだりしやすいようにはっ水効果を付ける」「タマネギを染料に使い、絶滅危惧種のコツメカワウソのイラストを入れる」「ボタンを開けるとジャケットにもなる、2通りの使い方ができるデザインにする」など、独創性にあふれるTシャツを考え、宣伝ポスターを作製しました。


第2回「“地域限定スイーツ”の商品開発をオンラインで模擬体験しよう withローソン」(3月28日開催)の申し込み受付中
リンク先:https://e-kidsventure2.peatix.com


金融機関の融資審査も!

「事業計画書」づくりにもチャレンジしました。真っ白な基本のTシャツ(300円)に、イラストを付ける、素材や形、色を変える……など、付加価値を加えると材料費が高くなります。広告や宣伝にもお金がかかります。費用を考え、1枚あたりの値段と販売予定数を決めます。必要な資金を得るため、地域金融機関の城南信用金庫の「融資審査」も受けました。事業計画を説明し、「借りたお金」と「利子(お礼)」を返せることを約束して、お金を借ります。

©セルフウイング

最後は1人2000円の予算を手に、模擬販売サイトでそれぞれの会社のTシャツを購入。2社は売上金額が費用を上回り「黒字」に、残り2社は「赤字」となりました。

【参加者の感想】

平野壮真さん(5年生):「宣伝マネージャー」を担当し、大きな身振り手ぶりで商品をPRしました。結果的に自分たちの会社は黒字になったけれど、物を売るのは思って以上に難しいと実感しました。

大西優音さん(5年生):「印象に残ったのは、宣伝ポスターをつくるために、商品のおすすめのポイントやキャッチフレーズをみんなで考えたことです。オンラインで5人の意見をまとめるのは難しかったけれど、話し合いながら一つの物をつくり上げることができました」

法律事務所や企業もイベントに協力

イベントはたくさんの企業の協力で実現しました。スポンサーの弁護士法人Authense(オーセンス)法律事務所はTシャツに入れる図柄の「著作権」や広告の表現のルールなど、法律的な視点でアドバイスしました。高橋麻理弁護士は「起業について学ぶ機会を持つことは、『将来ビジネスをしたい!』という気持ちを抱くきっかけになるのはもちろん、消費者としてサービスの提供を受ける立場で遭遇するかもしれないトラブルを回避するためにも、とても大事です参加者の中から将来、世界的に活躍する起業家が誕生するのを楽しみにしています」とコメントしました。

弁護士法人Authense法律事務所の高橋麻理弁護士

同じくスポンサーの丸和運輸機関は、通信販売サイトなどで注文を受けた品物を短時間で届ける仕組みを解説。1台のトラックになるべくたくさんの荷物を積み込むといった二酸化炭素(CO₂)削減のための工夫にも触れました。参加した同社の瀬戸遼平さんは「小学生で『何かを生み出し事業化する』『社会との接点をつくる』ということに関心を持つのは大事なことだと思います」とコメントしました。

丸和運輸機関の瀬戸遼平さん

途上国のバッグや衣料品を販売しているマザーハウスからは「自然環境だけでなく、働く人たちの環境も考えている」という話がありました。

さらに、参加者へのプレゼントとして丸和運輸機関からクリアファイルなどの文具セット、フコク生命からは、収穫時に捨てられてしまう野菜の外葉などを原材料にした「おやさいクレヨン」、城南信用金庫には業務で不要になった書類を再生紙にして製作した自由帳をそれぞれ提供してもらいました。

キッズ起業塾は今後も様々なテーマから、「自分で考える力」「コミュニケーション能力」を育み、子どもたちの学びをサポートします。

3月28日には、「“地域限定スイーツ”の商品開発を模擬体験しよう」と題して、オンラインで商品開発や事業計画書作りを体験します。コンビニスイーツの製作現場の最前線でヒット商品を作り続ける、ローソン商品本部ベーカリー・デザート部長、高尾憲史(たかお のりふみ)さんがゲストで登場。開発現場のエピソードや仕事のやりがいをお話してくれます。皆さんの「作品」も審査してくれますよ!参加希望の方ははこちらからエントリー!