Q: 水族館の巨大水槽、どうやって掃除するの?(大阪府堺市、小6)
ダイバー数人が汚れを吸い取り
A 大阪市の水族館「海遊館」には、幅34メートル、深さ9メートル、水量5400トンの「太平洋」水槽があります。2頭のジンベエザメやイトマキエイをはじめ、約50種類1500点の生き物を飼育しています。海遊館広報担当の松村将太さんに、掃除の方法を教えてもらいました。
水槽の掃除は、飼育員がする場合と専門のダイバーがする場合があります。海遊館の場合、「太平洋」水槽以外の水槽は飼育員が掃除しますが、「太平洋」水槽の掃除は1日4回、約30~40分かけて、2~3人の専門のダイバーにより行われています。
ダイバーは、水に潜っても寒くないウエットスーツにマスク、フィン(足ひれ)を装着し、空気の詰まったタンクを背負って水槽の中を潜って掃除します。
水槽の底の砂利の中には、よく見ると、食べ物のカスや生き物のうんちがあります。ダイバーは、スコップで砂利をふわりと浮き上がらせながら、掃除機のように汚れを吸い取っていきます。吸い取った汚れは、ポンプを伝って水槽の上にあるバックヤードに水ごと引っ張りあげられ、水と汚れに分別されます。これをバキューム清掃といいます。
「食べカスやフンは、水を介して呼吸している魚にとって、あまりよくないアンモニアが発生する原因となります。水が汚れると、生き物が病気になってしまうこともあります。水質を保つため、アンモニアの発生のもととなるものを取り除かないといけません」と松村さんは説明します。
バキューム清掃以外には、「タコ」と呼ばれる吸盤で体を支えて、水槽のアクリルパネルや装飾の岩などにつくコケなどの汚れもブラシやタオルを使って拭き取ります。生き物を他の場所に移して水を全部抜いて大掃除する、ということはしません。「今日はこのエリアをきれいにしよう」と掃除するエリアを決めて掃除をし、数日かけて終わったらまた初めからやり直すという終わりのない作業を毎日、繰り返します。そうやって、水槽の中の生き物の命が守られているのです。
水槽内には、アカシュモクザメなど危険なサメもいますが、人間が入って作業をしても問題ないのでしょうか。「急に動くと生き物がびっくりするので、ゆっくり動くことが大事です。長く飼育しているため、生き物もダイバーの存在に慣れています。ダイバーに危険はないと認識すれば、作業中に寄ってくる魚もいます」
海遊館で働く場合、ダイビングと潜水士の資格が必須だといいます。掃除をするほか、ケガをした生き物を治療するために潜ることもあるからです。【毎日小学生新聞編集部・長尾真希子】(毎日小学生新聞2024年9月16日掲載)

ジンベエザメ「海」の胴回りを測る飼育員=大阪市港区の海遊館で2023年11月1日、峰本浩二撮影
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