Woodを使ってGoodな未来へ【月刊Newsがわかる5月号】

ダムの仕組みを教えて 【疑問氷解】

Q:ダムの仕組みを教えてほしいです。水がたまり過ぎそうな時に川へ流す時のことが特に知りたいです。(北海道札幌市、小5)

満水近づけば緊急放流 水ためずに下流へ流す

   質問をくれた読者は、社会の授業で水について学習して、ダムのことをくわしく知りたいと思ったそうです。まず、基本的な仕組みの話から始めて、その後に大雨に備えて水を流すことについて解説します。

  ダムには主に三つの機能があります。まず、集中豪雨などの時に上流で降った雨をためて、下流の氾濫(あふれること)を防ぐ「洪水調節機能」です。日本の川は、外国の川に比べると短くて流れが急です。雨がたくさん降ると、一気に海へ向かって流れ出ていきます。大雨は洪水につながりやすいのです。ダムは川の水をせき止め、川の水があふれないよう徐々に川へ放流し、洪水や氾濫を防ぎます。

  また、ためた水を農業や生活、工場などで使う「利水機能」もあります。日本は梅雨や台風の時期に雨が集中し、それ以外の時期は雨が少なくなります。川の水が少なくなって水不足になれば、生活や農業、工業で使う水も足りなくなってしまいます。ダムは水をためて安定的に使えるようにしているのです。

  三つ目は「発電機能」です。ダムにためた水を高い位置から低い位置へ流し、その水の勢いで大きな水車を回して電気をつくる水力発電をするダムもあります。

 そうしたダムからの水の流し方について、日本ダム協会の楠見正之シニアアドバイザーは「普段はダムの利水放流管を使って、川が枯れないよう、使う水の量に応じて少しずつ流しています」と語ります。日本には洪水対策や利水、発電のため、あるいはそれらの目的を組み合わせたさまざまなダムが、3000ほどあります。

  最近では、集中豪雨をよく耳にしますよね。大雨でダムが満水に近づいてきた時は、「緊急放流」といわれる操作をします。ダムの上流から流れてくるのと、ほとんど同じ量の水を下流へそのまま流すよう、ゲートを開けます。つまり、ダムがない時のような状態になります。その時、ダムへ流れてくる量以上に水を流すことはありません。放流の判断は、そのダムの管理者が基準にしたがって行います。ダムの近くにある管理事務所などで様子を見ながら、ダムへ流れてくる水の量や、川の水位、予想雨量などをみて、総合的に判断します。  

 「緊急放流はかなり例外的な判断です」と独立行政法人・水資源機構広報課の川崎忠成課長補佐は語ります。緊急放流の数時間前(例えば3時間前など)と1時間前に自治体や警察、消防、報道機関などに知らせます。サイレンを鳴らし、警報車で住民に避難を呼びかけます。川の水位の急上昇や、堤防が壊れること(決壊といいます)も予想されるからです。

 気象予報は精度が上がってきているので、台風の進路や雨量があらかじめ想定できます。大雨が予想される時は「事前放流」といって、あらかじめダムの水を下流へ流してダムの容量(水をためられる量)を増やしておきます。最近は雨の降り方が変わってきて、線状降水帯が発生するなど、長時間、大量の雨が降ることが増えてきました。川崎さんは「緊急放流する前の何日間か何時間かは、ダムは、大雨が降っても水をためておけるよう、住民が避難する時間を稼いでいるといえます。それまでに避難の準備をして、命を守るため早めに避難してほしいです」と呼びかけました。【毎日小学生新聞編集部・井上梢】(毎日小学生新聞2024年9月16日掲載)

 黒部ダム=2023年9月13日撮影

★「疑問氷解」は毎日小学生新聞で月曜日(第1月曜日を除く)に連載中!      

有料ゆうりょう会員かいいんになるといろいろおとく

 ニュースがわかるオンラインの有料会員ゆうりょうかいいん(プレミアムプラン・DXプラン)になると、最新号さいしんごうはもちろん、2019ねん月号以降がつごういこうのバックナンバーが放題ほうだい
 プログラミング、温暖化おんだんか、プラごみ、SDGsなど役立やくだ内容ないよう充実じゅうじつ学校がっこうでの学習がくしゅうや、自由研究じゆうけんきゅうのアイデア、中学受験ちゅうがくじゅけん時事問題じじもんだいにもつよくなります。
 かくプランの特徴とくちょう、おもうみは以下いかから!