寝る子は育つ睡眠学【月刊Newsがわかる1月号】

なぜ年末に大掃除をするのですか?【疑問氷解】

Q:なぜ年末に大掃除をするのですか?(大阪府豊中市、小4)

社や寺の習慣由来 感謝しつつきれいに

 A 年末恒例の大掃除。毎年、この季節にニュースなどで見る神社や寺での「すす払い」が由来となっているそうです。ダスキンお掃除教育研究所の香山奈帆子さんに、由来や方法などを教えてもらいました。

 昔は、年神(正月に、家々に新年の幸せをもたらすため高い山から下りてくる神様)を迎える準備を、昔の暦で12月8日からはじめていました。その後江戸時代になって、鬼宿日(とても運気の良い大吉日)にあたる12月13日を「正月事始め・すす払いの日」と定めたといいます。そのため、「一年の積もり積もった汚れを落とし、新年をきれいな状態で迎える準備をするために『大掃除』という習慣が根付いたと考えられています」と香山さんは話します。

 大掃除は、新年を迎える直前には控えたほうがよいかもしれません。というのも、「大掃除をするのに縁起が悪い日」が12月29~31日といわれているからです。29日は「二重苦」という語呂合わせが連想されること、31日は「一夜飾り」となり神様に失礼になるとのことです。また、30日は昔の暦では31日にあたり、やはり「一夜飾り」で縁起が悪いそうです。  

 そのため、12月13日から28日の間にすませるとよいようですが、「実際には、大掃除を実施した人の大半が29~31日で行っているという調査があります」と香山さんは笑います。  

 そこで、年末年始を快適に過ごすために、大掃除はいつから始めたらよいかを教えてもらいました。ダスキンが2023年10月に2080人を対象にインターネットで実施した「大掃除意向調査」によると、する予定がある人は全体の69・8%でした。どう取り組みたいかを聞いたところ、▽時間にゆとりをもって取り組みたい(52・8%)▽普段は掃除しない場所を掃除したい(43・0%)▽手間や時間をかけずに実施したい(37・4%)――という結果だったといいます。  

 そこで、香山さんは「まずは掃除をする場所を明確にして、スケジュールを立てましょう」とアドバイスします。

 「必要な洗剤や用具も用意しておきましょう。ゆとりをもって取り組みたい場合は、日数をわけて掃除したらよいかもしれません。また、普段掃除をしない場所(レンジフードやキッチン、窓、網戸など)は念入りにしなければいけないので、しっかりと時間を確保しましょう」  

 小学生でもできる大掃除も教えてもらいました。「まずは机や本棚、運動靴など、自分の部屋や自身がよく利用する場所、モノを、感謝の気持ちを持ちながら、きれいにしてみましょう」。場所によって掃除の方法はさまざまです。「準備として、タブレット端末で調べてから掃除を始めるのもいいですね。掃除方法を楽しく学べる子ども向け教材もあるので参考にしてみてはいかがでしょうか」  

 掃除道具も、買わなくても、身の回りに役立つものがたくさんあります。「歯ブラシや割りばしなど、使い古したものも捨てる前にうまく利用してみましょう」と教えてくれました。【毎日小学生新聞編集部】(毎日小学生新聞2023年12月18日掲載)

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