寝る子は育つ睡眠学【月刊Newsがわかる1月号】

インコが体をひねらずに顔を後ろに向けられるのは、どうして?【疑問氷解】

Q:インコが体をひねらずに顔を後ろに向けられるのは、どうしてですか?(茨城県水戸市、小1)

首の骨の数が多いから

  A 「首の骨の数が多いからです」と、森下小鳥病院(東京都江東区)の院長、寄崎まりをさんは説明します。

 頸椎(けいつい)といわれる首の骨は、人間などほとんどの哺乳類は7個ですが、インコは12~13個あるため、人間よりもより自在に首を動かすことができます=イラスト参照。インコの首は通常はS字形に曲げられていて、必要なときにまっすぐにのばすことができます。一方、背中は固定されていて、曲げたりのばしたりすることはできません。

  野生の小鳥は、肉食の生きものにおそわれる危険にさらされています。生きのびるには、敵を早く見つけて逃げなくてはなりません。インコの目は顔の両側についていて、片目で180度、両目で330度くらいの視野があるうえ、首を180度回すことができます。ただし、片目では立体的に見えないため、見ているものが自分からどれくらい離れているのかの距離感がつかめません。インコはもともと好奇心が強いので、興味のひかれるものを見つけると、かじる習性があります。金属類をかじると金属中毒になり、命の危険もあるので、インコを部屋に放すときは、アクセサリーやキッチンのコンロなどをかじらないように気をつけてください。

  さらにインコの体の特徴をあげると、ほかの鳥と同じく、胸に大量の筋肉をつけています。羽ばたくのに大きな力がいるため、胸に筋肉が必要なのです。胸の次に筋肉量が多いのは、ももです。枝につかまって体を支えたり、よじのぼったり、地面を走ったりするのに必要なのでしょう。中、大型のインコだと、食べ物を足でつかんでくちばしに持っていくことができ、足が人間の手のような役割を果たしているともいえます。くちばしも物をつかんだり、よじのぼるときに体を支えたり、物をつついて音を出すといった、手のような役割をしています。【毎日小学生新聞編集部】(毎日小学生新聞2017年11月20日掲載)

宮野勝夫・桜井署長の手に止まってくつろぐセキセイインコのシロちゃん=奈良県桜井市三輪の桜井署で2023年9月、望月靖祥撮影

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