寝る子は育つ睡眠学【月刊Newsがわかる1月号】

子どもの筋力トレーニングはよくないこと? 【疑問氷解】

Q:子どもの筋力トレーニングはよくないこと? (愛知県豊田市、小1)

今は必要ない 競技を楽しもう

 A 柔道の日本オリンピック委員会強化スタッフを務め、骨格筋評論家の岡田隆・日本体育大学准教授に教えてもらいました。

 思春期前の子どもは、筋力トレーニング(筋トレ)をしても筋肉の成長があまり期待できません。あまり効果が出ないという点で、筋トレをやる必要はほぼないと言えます。

 なお、子どものうちからの筋トレが将来的に体にとって良いか悪いかは、長期間の研究が必要で、まだ分かっていません。

 どうしても子どものうちから筋トレをするなら、筋肉を鍛えて大きくすることではなく、筋トレを通じて体の使い方や、力の出し方を覚えることを目的にしてください。例えば腕立て伏せから、体幹を安定させることを学ぶことはできます。そのためには、正しいフォームで丁寧に体を上下させます。限界までやらないのがポイントです。だんだんとスピードを上げても、フォームが崩れないようにしましょう。

 子どものうちは、一生付き合っていく自分の体や筋肉を使いこなすためのトレーニングをすることが大切です。子どものうちに体験をお勧めする競技は体操、柔道、レスリングです。複雑な動きが多い割に力を出すことができ、自分の体を自由自在に動かすベースを作れます。将来的に筋肉もかっこよく付きます。

 もし、何かスポーツをしていたら、それに必要な動きをたくさん練習してください。今は動きやスキル(技術)を成長させる時期です。何かできない動きがあったら、他の子や、プロのプレーをしっかり見て、違いを知ることがまず大切です。その後、少しずつ目標を上げて練習しましょう。

 大人の間では、筋トレが流行しています。自分の都合で一人で練習ができ、大人の場合は早く結果が出るからです。健康になりたいなど、それぞれの理由にマッチするのでしょう。

 ですが、一人で取り組むので、ほかのスポーツに比べて、コミュニケーションや、社会のルールを勉強する機会は多くないかもしれません。大人になってから、新しいスポーツを始めるのは大変です。今のうちに、楽しみながら体を動かすことに、親しんでください。【毎日小学生新聞編集部】

(毎日小学生新聞2019年1月15日掲載)

<え・内山大助>

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