【ニュースがわかる2024年11月号】巻頭特集は世界が注目! アメリカ大統領選

年末年始、世界の人たちは?【ニュース知りたいんジャー】

新しい年が始まりました。日本では年末と1月1~3日の三が日を正月休みとする会社が多いですが、世界にはクリスマスの時期に長い休みがある国や、2月にお正月を祝う国もあります。世界の人たちの正月の過ごし方や習慣を、知りたいんジャーが調べてみました。【木谷朋子】


◇1年の始まりは1月1日ではないの?


 1年の始まりは、国や民族、使っている暦や信じている宗教などによって、いつを始まりとするかが違ってきます。
 例えば、中国や韓国、ベトナムなどは、1月1日は休日ですが、新年を祝う行事は旧暦の正月(旧正月)に行われます。旧正月のことを中国では「春節」、韓国では「ソルラル」と呼び、この期間が休みになるため、実家に帰り家族や親せきで集まって新年のあいさつをしたり、一緒に食事をしたりします。

 旧正月は、おおむね1月下旬から2月中旬と毎年日付が変わり、2021年は2月12日、22年は2月1日、23年は1月22日です。
 インドのように人口の約8割がヒンズー教徒の国では、「ディワリ」と呼ばれる新年のお祭りが10月か11月にあります。全土で宗教に関わらず祝われていますが、ヒンズー教の新年の祭りとして知られています。
 さまざまな宗教を信じる人がいる国では、それぞれの宗教ごとに年に4回も正月を祝うマレーシアのような国もあります。

◇12月31日はどう過ごすの?

 日本では12月31日は大みそかと呼ばれます。深夜0時には除夜の鐘が鳴り響き、新しい年をおごそかに迎え、夜から元日にかけて初もうでに行きます。
 静かに過ごす日本と比べると、世界では各地で年明けのカウントダウンが行われ大みそかの夜はとてもにぎやかです。
 アメリカやヨーロッパなどのキリスト教を信じる人たちは、行事としてはクリスマスの方を重んじるため、大みそかと1月1日はクリスマス休暇の一部です。クリスマスイブやクリスマスを家族や親せきと過ごして食事をし、大みそかから新年にかけては、カウントダウンを友達や恋人と一緒に過ごす人が多いようです。

◇新年カウントダウンの起源は?


 英語では大みそかを「ニューイヤーズ・イブ」と言いますが、イギリスのスコットランドでは、「ホグマネイ」と呼びます。正式には大みそかから1月1日の未明まで夜通しで続くお祭りの名前です。新年のカウントダウンは、このホグマネイが始まりと言われています。

 むかしは家族で集まって年越しパーティーなどをしていましたが、今は大きなイベントに変わっています。スコットランド最大の祭り「エディンバラズ・ホグマネイ」では、たいまつを手にした人たちが歩くたいまつ行列や花火大会、コンサートが、12月30日から3日間、盛大に行われます。

 アメリカ・ニューヨークにも、大みそかにタイムズスクエアで新年を祝うイベントがあります。始まった当初は花火をあげていましたが、火災の危険があるとして、1907年ごろからビルから光るボールを落とすようになりました。現在は「ボールドロップ」と呼ばれ、新年へカウントダウンをしながら、ボールを落とした場所で、新しい年の数字が点灯します。2000年のミレニアム(千年紀)のカウントダウンにはたくさんの人がタイムズスクエアに集まりました。昨年から今年にかけては新型コロナウイルスのせいで観客なしで行われ、今年も観客の数を減らす方針です。

◇世界には正月休みはあるの?

 キリスト教の国々にも、旧正月を祝う中国や韓国にも、日本のような正月休みはありません。1月1日は休日で、年にもよりますが2日からいつも通りの生活に戻るのが一般的です。

 ただ、ヨーロッパやアメリカなどにはクリスマス休暇があります。クリスマス前から1月の最初の週末まで休暇を取る人もいます。クリスマス期間は1月6日の公現祭(キリストの生誕を賢者が祝ったとされる日)までで、この日、クリスマスツリーなどを片付けます。イギリスでは公現祭の前夜を「十二夜」といって祝います。

◇世界にも特別な料理はあるの?

 日本では正月に雑煮やおせち料理を食べますが、アメリカ南部にも新年に食べる「黒目豆(ブラック・アイド・ピー)」という豆を使った料理があります。黒目豆にタマネギやベーコン、米などを入れた料理で、幸運をもたらすといわれています。

 旧正月を祝う中国でも、家族でギョーザを食べる習慣があります。地域によって正月料理にはかなり違いがあり、南部の広東省などでは「年糕」と呼ばれる正月餅を食べますし、首都北京や北部ではギョーザを食べます。

 また、スペインには年越しにブドウを食べる習慣があります。新年に日付が変わる午前0時から、鐘が1回鳴るごとに1粒ずつブドウを食べ、12粒食べます。全部食べつくせたら、新しい1年も幸せでいられるなどと言われています

(2021年12月29日掲載毎日小学生新聞より)