平和の番人 国連の80年【月刊ニュースがわかる4月号】

高専に行こう! 香川高専編

高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は香川高専を紹介!

 香川高等専門学校は、平成21年10月に『高松工業高等専門学校』と『詫間電波工業高等専門学校』が統合して創立されました。高松市と三豊市にキャンパスを構える香川高専は、学生数が約1,500名と、全国58校の高等専門学校の中でも最大規模を誇る学校です。
 本科は、機械工学科、電気情報工学科、機械電子工学科、建設環境工学科、通信ネットワーク工学科、電子システム工学科、情報工学科の7学科から構成されています。さらに、専攻科では創造工学専攻と電子情報通信工学専攻から成り、実践的、創造的かつ国際的に活躍する高度な専門技術者の育成を目指した教育を行います。

学生の各種コンテストでの活躍

 本校では多くの学生が各種コンテストや部活動に積極的に参加し、自主性や創造力を育んでいます。特にロボットコンテスト(ロボコン)とプログラミングコンテスト(プロコン)では、素晴らしい成果を挙げており、ロボコンでは、両キャンパス併せて6回の全国大会優勝、2024年大会では最大の栄誉であるロボコン大賞を受賞、プロコンでは、2024年に通算9回目の自由部門の最優秀賞を受賞しました。ロボコンの全国大会優勝回数、プロコンの自由部門での最優秀賞受賞回数は、全国高専No1です。(※令和6年12月時点)
 他にも高専ディープラーニングコンテスト(2024年準優勝)、高専GIRLS SDGs×Technology Contest(2023年ユース賞)、キャンパスベンチャーグランプリ四国(2024年優秀賞・特別賞)、高校・高専『気象観測機器コンテスト』(2024年優秀賞)、IoTビジネスコンテスト「WINK」(2024年技術賞)、コンクリート甲子園(2024年プレゼンテーション部門3位入賞)、全国高専体育大会(2024年優勝:剣道男子(個人、団体)テニス男子ダブルス、陸上やり投げ 2024年準優勝:バスケットボール男子、硬式野球、剣道女子(個人))などを受賞しました。
 本校には5年間の教育課程の中で、様々な課外活動に取り組める環境が整っています。

各種コンテストでの学生の活躍(香川高専提供)

AI人材、学生起業家育成

 本校の特徴的な取り組みとして、平成30年に東京大学松尾研究室・三豊市と連携協力に関する合意書を締結し、AI教育、社会実装を積極的に進めてきました。
日本のAI研究第一人者である、松尾豊教授の講演や、松尾研究室所属の講師によるAIサマースクール(AI実践ブートキャンプ) 、アントレプレナー教育を毎年開催しています。他にも地元の香川銀行と連携したビジネス講座を実施し、学生の起業をサポートしています。 
令和6年12月時点で、3社のスタートアップが香川高専から誕生しています。

香川高専から起業した学生たち 向かって右から(株)三豊AI開発 武智代表取締役社長, (株)D-yorozu 柏原CEO, 山田CTO

【香川高専へのアクセス】
高松キャンパス
■バス
JR高松駅からことでんバス乗車、「香川高専前」下車(約30分)
■電車
JR端岡駅から徒歩(約60分)

詫間キャンパス
■バス
JR詫間駅から三豊市コミュニティバス乗車、「香川高専前」下車(約20分)
■電車
JR詫間駅から徒歩(約80分)