Q どうして曜日は、日月火水木金土の順番なのですか。(茨城県つくば市、幼稚園年長)
音楽説や占星術説、太陽や星の順から
A 曜日は太陽系の惑星の名前と同じで、宇宙に関係するみたいです。国立天文台天文情報センター暦計算室長の片山真人さんに聞いてみると、3世紀ごろ、ローマの政治家が書いた歴史書「ローマ史」にのった二つの説を紹介してくれました。音楽説と占星術説です。
残念ながら、どちらが正解かは分からないそうです。でも、いずれの説も、地球を中心に太陽や星が回っているという、当時信じられていた天動説が背景にあります。また、地球から遠い順に土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月という順番が基本にありました。当時は金星よりも動きが速くみえる水星の方が、地球に近いと考えられていました。
まずは音楽説です。ヨーロッパでは長い間、太陽や惑星などの天体は宇宙に満たされた音楽の法則に従って動くと考えられていました。また古代ギリシャでは、四つの音を一つのまとまりとする考え方があり、それに従って最初の土星を一つ目と数えると四つ目は太陽(日曜)になります。次は太陽を一つ目として四つ目を見ると月(月曜)となり、同じように続けると、土、日、月、火、水、木、金の順番になります(表1)。

もう一つは、天体の動きから未来を占う占星術に基づく説です。太陽や月、惑星にはそれぞれ神がいて、時間ごとに人間の運命を支配すると考えられていました。1時間ごとに遠い順に天体を当てはめると、最初の1時は土星、2時は木星、3時は火星というふうに続き、翌日の1時は太陽(日曜)になります(表2)。1時を支配する天体がその日を支配するとされ、1時は土、日、月、火、水、木、金の並びになります。

二つの説は土曜日から始まっていますが、週の始まりは宗教や地域、時代によっても異なるようです。
1世紀ごろのローマ皇帝の風呂場で見つかったカレンダーは土曜日から始まっていました。キリスト教の世界では、安息日の日曜日が週の始めです。日本では、カレンダーの多くが日曜日から始まっていますが、工業製品などの世界的な標準(国際規格)を決める団体「国際標準化機構」(ISO)や「日本産業標準調査会」(JISC)は、月曜日を始まりとしています。【毎日小学生新聞編集部・石塚孝志)】
(毎日小学生新聞2021年1月26日掲載)