新聞、ニュースでよく見聞きする時事問題やワードを「ニュース時事能力検定」がわかりやすく解説します。
犯罪や刑罰が問題となる事柄を刑事事件といい、刑事事件を扱う裁判を刑事裁判といいます。一連の流れを確認しましょう。
事件が起きるとまず、警察などが捜査して容疑者を割り出します。そして 検察官が犯人だと確信すれば、被告として裁判所に起訴します。
裁判は公開の法廷で審理されます。検察官は犯罪の証明に努め、弁護人(弁護士が務める)は被告の権利を守ります。裁判官・裁判員は双方の立場に立って証言を聞き、証拠品を調べます。そのうえで検察官による証明が間違いないと断言できるときに限って有罪とし、それ以外は無罪とします。この鉄則は「疑わしきは被告人の利益に」「無罪の推定」と呼ばれます。
冤罪を防ぐための仕組み
捜査や刑事裁判には、「罪を犯した人には、きちんと償わせる」「無実の人にぬれぎぬを着せない(冤罪を防ぐ)」という働きが求められます。このため、手続きに誤りが起きないための仕組みが用意されています。
例えば警察や検察が容疑者を逮捕する時は、原則として裁判官の令状(許可状)が必要です。日本国憲法などに基づく決まりで、身体の自由がむやみに奪われないようにするためです。
また、裁判員裁判の対象事件などでは、取り調べの一部始終を録音・録画することが、警察と検察に義務づけられています。密室で取り調べると、憲法に禁じられている「自白の強要」が起きる恐れがあり、冤罪につながると指摘されてきたためです。このほか、容疑者や被告には弁護人を頼む権利があり 、税金で弁護人をつける制度もあります。
(「2024年度版ニュース検定 公式テキスト&問題集「時事力」基礎編(3・4級対応)」より)
次回は9月18日に配信予定です。
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ニュース検定とは?
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「ニュース時事能力検定試験」(略称、ニュース検定)は、ニュースを読み解く力を多くの人に身につけてほしいと、日本ニュース時事能力検定協会(養老孟司・名誉会長)や毎日教育総合研究所、各地の新聞社が共催して、年3回実施しています。
1級~5級まで6段階ありますが、4級は主に中学生以上、3級は中高校生以上が対象です。3・4級対応の『ニュース検定 公式テキスト&問題集「時事力」基礎編(3・4級対応)』は、「脱炭素社会への道のり」「社会保障のこれから」「核兵器と向き合う世界」など22のテーマについて、グラフや図解を多用して最新ニュースをわかりやすく解説しています。また、「時事力Basic」でそもそもの基礎知識を身につけることができます。
4級と3級の検定問題は四つの選択肢から一つを選ぶ方式。各45問の約6割はこの本から出題されます。
次回の検定はいつなの?
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