Q 恐竜博物館などの化石は、どこから集めてくるの?(茨城県つくば市・小4)
発掘する、買う、借りる
A ティラノサウルスやトリケラトプスなど、人気のある恐竜の多くは海外で見つかっています。博物館では、どのように化石を集めてくるのでしょうか? 福井県立恐竜博物館の学芸員、千秋利弘さんに教えてもらいました。
福井県ではたくさんの恐竜の化石が発見されていて、フクイラプトルやフクイサウルス、フクイティタンなどは、同館が中心となって発掘・研究し、展示しています。中国、タイなどで、地元の博物館などと共同で発掘調査をして、そこで見つかった化石を展示することもあります。
海外で見つかった化石は、実物や複製を買うこともあります。例えば、同館で展示されている全長15メートル、高さ5メートルのカマラサウルス=下写真、福井県立恐竜博物館提供=は、ほぼすべての骨がそろった珍しいもので、化石の発掘調査をする会社が2007年にアメリカのワイオミング州で発見しました。
福井県が購入したのは09年です。化石の周囲を石こうで固め、部位ごとに木箱に入れて飛行機で日本に運びました。石こうを外し、岩石などを取り除いたあと、型をとって複製を作成。複製標本を使って試しに組み上げ、骨を支える枠組みを作ってから、実物の化石を組み上げ、13年に展示が始まりました。日本に到着してから、約3年半もかかりました。
ほかの博物館で持っている化石の複製を作らせてもらうこともあります。特別展などのときには、ほかの博物館から化石を借りたりします。恐竜の骨格は大きいので、海外からは船便で運ばれることが多いそうです。持ち主の博物館から何人もの専門家が一緒にやってきて、展示に協力します。
【毎日小学生新聞編集部】
(「疑問氷解 Vol.11(毎日小学生新聞)」より)