【ニュースがわかる2024年11月号】巻頭特集は世界が注目! アメリカ大統領選

新聞っていつからあるの?【疑問氷解】

Q 新聞っていつからあるの?

江戸時代の瓦版が始まりです

 A 日本の新聞の歴史は江戸時代にさかのぼります。神奈川県横浜市中区にある新聞博物館などで調べました。

 江戸時代、ニュースを記した「瓦版(かわらばん)」というものがありました。板に文字や絵を彫って印刷したもので、瓦版売りが読みながら売り歩いていました。江戸末期の1862年に、江戸幕府が海外の出来事を記した「官板バタヒヤ新聞」を発行しました。これより前、オランダから鉛の活字(金属で作った文字の型)がもたらされ、これを使った活版印刷がさかんになりました。

 明治時代になると、文明開化の担い手として、各地に新聞ができました。文明開化は外国の近代文明を取り入れて、風俗や習慣を西洋風にしていったことです。

 1871年、日本初の日刊新聞「横浜毎日新聞」が創刊しました。翌72年には東京で初の日刊紙「東京日日新聞」が創刊。今の毎日新聞の前身です。

 明治政府に反して民主的な政治(政治をする権利を国民が決めること)を求める民権運動が高まると、政府は75年、新聞紙条例を制定。政府の意向にそわない新聞の発行禁止も含む取り締まりへと変わります。新聞は政治色がうすれ、ニュース報道が中心となっていきました。明治時代後半には、輪転機という高速で大量に印刷ができる機械が普及しました。

 大正時代になると、それぞれの新聞が自由に意見を戦わせて、大正デモクラシーといわれる民主化運動の担い手となります。女性記者が現れたのもこのころです。

 昭和(1926年~)になると軍部が台頭します。毎日小学生新聞が創刊したのは36年。37年に日中戦争が始まると、再び言論統制が強まり、新聞は国民が戦争に協力するよう呼びかけたり、政府に都合のよい内容を報道したりするようになっていきました。

 戦後、連合国軍総司令部(GHQ)の占領下を経て、新聞が各地で創刊、復刊しました。新聞が再び、自由に意見や考えを述べたりできるようになったといえます。新聞の歴史は民主主義の歴史と密接に関わっているのです。【毎日小学生新聞編集部】

              (「疑問氷解 Vol.8(毎日小学生新聞)」より)