高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は鹿児島高専を紹介!
Well-beingを志向する鹿児島高専
ここでは、鹿児島高専が取り組んでいる教育を2つ紹介します。1つは“Well-being教育”です。「高専教育が科学技術の発展に寄与したこと」は疑いないが、「科学技術の発展は、果たして人や社会を幸せにしたのか?」という問いを起点として、鹿児島高専における“Well-being教育”はスタートしました。未来が予測できない今こそ、1人1人が変化を前向きに受け止め、未来に向かって自立的に生きていく力を養う高専教育を実現する必要があります。その問題提起と決意表明として、「Well-beingを志向する高専教育」というテーマを設け、日本高専学会第28回年会講演会(2022年)を鹿児島高専にて開催しました。詳しくは学会HP等で紹介されているので、ご覧ください。
グローバルエンジニアの育成
もう1つは“グローバル教育”です。高専生にとって、グローバルマインドやグローバルコミュニケーションスキルは必要不可欠です。なぜなら、科学技術の発展は国境を越えて進められ、世界中の研究者や技術者が協力して成し遂げられるからです。エンジニアや研究者として活躍するためには、自国だけでなく、世界各地の人々との協働やコミュニケーションが欠かせません。鹿児島高専では、グローバルな素養を持ったエンジニアの育成にも取り組んでいます。
JSTSと鹿児島高専グローバルクラブ
Well-being教育とグローバル教育を融合させた取り組みとして、JSTSを紹介します。JSTS(Japan Seminar on Technology for Sustainability、持続可能な社会構築のための科学技術に関するセミナー)は、高専機構が主催する国際セミナーです。2016年度より実施されており、2022年度と2023年度は鹿児島高専が担当しました。
JSTS2023の様子
2023年度のJSTSでは、「人類の未来と自然との共生をデザインする ~“高専の森”が未来を創る~」というテーマを設定しました。5日間に渡り、英語での講義、グループワーク、プレゼンテーション、質疑応答などが行われました。こちらも詳細は鹿児島高専のHP等で紹介しております。
JSTS2022、2023の運営は、鹿児島高専グローバルクラブ(以下、GC)が担当しました。GCはキャンパスのグローバル化を目的とした学生有志のボランティア団体で、2021年に発足しました。JSTSでは、企画や事前準備だけでなく、セミナー期間中の司会進行やグループファシリテーターを務めました。2024年度以降も、KOSEN Global CampをGCを中心に開催する予定です。
【鹿児島高専へのアクセス】
■電車
JR日豊本線 隼人駅より2 km 徒歩25分
■バス
隼人駅‐鹿児島高専 約6分
いわさきバス 隼人中前 徒歩3分
鹿児島交通バス 浜ノ市本町 徒歩8分
■車
隼人東IC 約10分