内閣府は2月15日、2023年の名目国内総生産(GDP)の速報値が591兆4820億円だったと発表しました。ドルに換算すると4兆2106億ドルで、ドイツの4兆4561億ドルを下回って日本は世界4位に転落しました。(「Newsがわかる2024年4月号」より)
名目GDPの実額でドイツを下回るのは、1967年以来56年ぶり。翌年に当時の西ドイツを上回っていました。日本は長らくアメリカに続く「世界第2位の経済大国」でしたが、1990年代以降は低迷が続き、中国の台頭を受けて2010年にその座を明け渡しました。
日本とドイツのGDPは2000年代には約2.5倍の開きがありましたが、ドイツがヨーロッパの経済統合を経て成長する一方、日本はデフレ(デフレーションの略。物やサービスの値段が下がり続けること)と長期低迷から抜け出せず、その差が縮まっていました。記録的な円安となった2023年はドル換算のGDPが縮小したことがダメ押しになり、半世紀ぶりに逆転されました。
人口が日本の約7割(約8300万人)のドイツによる逆転は、日本経済に課題が多いことの表れと指摘する専門家もいます。円相場が円高に転じれば、2024年に日本とドイツが再逆転するとの見方もありますが、国際通貨基金(IMF)は当面、ドイツが日本を上回り、2026年にはインドが日本を抜くと予測しています。
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