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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

高専に行こう!弓削商船高専編

 高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は弓削商船高専を紹介!

弓削商船高専のNewシンボル 練習船「弓削丸」誕生!

 練習船として4代目となる「弓削丸」は、岡山県玉野市の造船所で建造され、令和6年3月に竣工しました。練習船「弓削丸」の建造は29年ぶりで、3代目と比較すると長さが約16メートル、幅が2.6メートル、総トン数が130トン大きくなり、効率的な実習空間や快適な居住空間を学生へ提供します。「弓削丸」は世界で活躍できる海技士を育成するだけでなく、研究活動、災害支援も目的としています。新たな「弓削丸」の主要目は次の通りです。

船主独立行政法人国立高等専門学校機構 弓削商船高等専門学校
全長約56.33 m
全幅約10.6 m
深さ約5.8 m
総トン数約380トン
定員60名
航海速力12.5 ノット

 弓削丸の特徴を紹介します。まず、操船を行う船橋(ブリッジ)には、最新鋭のレーダーやECDIS(電子海図)が搭載され、その他、海底地形や潮流を計測するための研究観測設備や操船設備も導入されています。周辺海域を360度見渡せるよう視認性を重視した設計が行われ、広々とした実習しやすい空間を備えています。

 次に機関制御室(エンジンルーム)は、主機関、発電機や各種ポンプなどの機器がリモート監視ができるだけでなく、主機関を窓越しに直接監視できるようになりました。また、船橋と同様に広い空間で効果的に実習を行うことができます。

4代目の新造練習船「弓削丸」(弓削商船高専提供)

 船内には、学校と同様の教室もあり、大型三面モニタによりPCを用いた授業配信が可能となっています。教室、船橋、機関制御室に設置してあるモニタには、各所に設置されたカメラ映像が映し出されており、どの場所においても船内の状況を確認することができます。

 学生が生活する居住エリアも充実しており、女子学生専用エリアの他、誰もがスムーズに乗船できる通行設備を備えています。

 さらに、船舶と学校を結ぶ船陸間通信システムを搭載したことで、船上での操船実習や機器操縦実習を陸上の学校施設側で同時受講することも可能となり、一部の機器については、遠隔で操作することもできます。

 災害時における船外給水、給電、支援物資輸送や十分な衛生設備を含む居住設備の提供、KDDI株式会社のau船舶基地局の運用といった災害支援船としての機能も有しています。また、株式会社NTTドコモ四国支社とは災害支援利用推進に関する連携協定を締結し、孤立、もしくは復旧に急を要する地域の通信の確保に向けた資材運搬などに弓削丸を活用します。

【弓削商船高専へのアクセス】