台風はほぼ1年を通じて発生していますが、日本にやってくるのは、夏から秋にかけてがもっとも多いのはなぜでしょうか。
※本記事は日本雑学研究会『お天気のミステリー』(毎日新聞社)から一部抜粋・再編集したものです。
台風のほとんどは7月から10月までに日本に襲来します。ほぼ1年じゅう発生しているにもかかわらず、台風が冬や春には日本にほとんどやってこないのは、その進路が季節によって変わるからです。
台風は海面水温が低いところを好みません。冬は日本付近の海面の温度が低いので、台風は日本には向かってくることがないのです。たとえやってきたとしても、温帯低気圧に変わってしまいます。
春の台風は発生するとそのまま西へ進み、フィリピン方面へ向かいます。北上してくることもありますが、日本付近には上空に強い偏西風が吹いているため、それに乗って、日本に接近する前に東へと向きが変わるのです。
夏と秋は日本付近の海面水温が高く、台風が好む状態です。偏西風も夏は日本の北を通り、初秋には日本の少し北を吹くようになります。そのため台風は勢力を保ったまま、日本付近まで北上してくることになるのです。