高等専門学校。タイトルにある「高専」の正式名称です。ロボコンなどでその名前を聞いたことがあるかもしれません。
高専は高等学校と同じく、中学校を卒業したひとが入学することができ、入学後は5年一貫教育(商船学科は5年6カ月)。一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、エンジニアに必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。近年はこの高専のカリキュラムが海を越え「KOSEN」として東南アジアを中心に注目されています。
「高専に行こう!」では、実際に全国各地の高専の魅力や特徴などをレポートします。今回は舞鶴高専を紹介!
舞鶴高専は、京都府の北部に位置し、エンジニアになることを夢見る若者が幅広い地域から集まった学校です。
発想を形にする創造的ものつくり教育
舞鶴高専には4つの学科(機械工学科、電気情報工学科、電子制御工学科、建設システム工学科)があり、1年生から自分の専門分野をしっかりと学ぶことができます。ほとんどの先生が博士号を取得しており、専門的な授業を受けることができます。授業では、例えばチームで協力して電気自動車を創るといったプロジェクト型科目や、問題解決型科目を多く取り入れています。令和5年度からは、学生が起業を含め自由な発想で集中して活動にチャレンジできる「起業家工房(試作スペース)」の整備も行っており、充実したものつくり環境・実験設備を有しています。
プロジェクト型科目に取り組む様子(舞鶴高専提供)
幅広い地域からの学生の受け入れと自律性と協調性を身につける学生生活
幅広い地域から学生が集まっているので、高専のなかでも最大規模の学生寮が学校敷地内にあります。令和5年度は、寮生558名 (72%)、通学生220名 (28%)となっていて、寮生の割合の方が高い学校です。規則正しい学寮生活を通して自律性と協調性を身につけることができ、就職先の企業からの評価も高いです。通学生であっても、1・2年生は混合学級なので、学科や地域を隔てた視野を拡げることができます。外国人留学生もいるので、国際性も養うことができます。また、自由な校風であり、制服もありません。ロボコン部やプロコン部など高専ならではの部活動もあり、エンジニアを夢見る学生への支援が充実しています。
全国高等専門学校ロボットコンテスト(ロボコン)に取り組む様子(舞鶴高専提供)
多様な進路と充実したキャリア教育
高専卒業後の進路は、就職か進学を選択します。舞鶴高専では、令和4年度は就職61%、進学39%となっていて、全国の高専の平均的な割合ですが、進路支援の満足度は全国の高専のなかでトップレベル(令和3年度データ 舞鶴高専80%、全国高専平均 66%)です。就職進学体験談、学内キャリアセミナーや大学説明会など低学年からのキャリア教育を行っています。就職の求人倍率は39倍、就職内定率 99 % (令和4年度)と大学に比べても高い内定率を維持しています。一方、進学先も94 %が国公立大学(令和4年度)であり、そのうち62 %が推薦入試で合格していて、受験勉強に追われず、好きな活動に集中して取り組むことができます。
【舞鶴高専へのアクセス】
■JR東舞鶴駅から京都交通バス朝来(あせく)循環線 「国立高専前」下車 約20分
■JR東舞鶴駅からタクシー利用で約12分