国技と言われ、日本の伝統文化でもある相撲。1500年以上前から続く相撲の魅力や素朴な疑問を、「大相撲中継」の編集長である北出幸一さんが答えてくれる「教えて編集長!」。今回のキーワードは「相撲教習所」です。
Q 編集長、大相撲の相撲教習所っていったい何なの?
A 相撲教習所は日本相撲協会が管理運営する、大相撲に入門した力士を教育する施設なんだ。相撲の基本を身につけ、相撲部屋での稽古に耐えられる体力と気力を養うことを目的としているんだ。力士は全員、半年間在籍して相撲の実技や教養を学ぶんだ。外国人力士は一年間在籍して、日本語を学び、日本の風習も覚えることになっているよ。
Q 相撲教習所はどこにあるのかな?
A 国技館の敷地の中だよ。国技館の真裏に建っているよ。階段を上がった2階に教室と土俵が三面ある稽古場があるんだ。相撲教習所の歴史は古いよ。最初に相撲教習所が開設されたのは昭和32年10月で65年も前だ。当時の蔵前国技館の中に出来たんだ。
Q 編集長、相撲教習所の授業ではどんなことを学んでいるの?
A 授業は午前7時からで、国技館の周りをランニングすることから一日が始まるよ。そのあと稽古場で四股、鉄砲、股割り、すり足などの基本動作を学ぶんだ。三面ある土俵では経験や能力に合わせて三班に分かれて稽古をするよ。
実技のあとは月曜が運動医学、火曜が書道、水曜が社会、木曜が修行心得、金曜が相撲史と、曜日ごとに教科が分かれて授業が行われるんだ。
Q 編集長、相撲教習所で歌う「相撲錬成歌」っていったい何なの?
A 相撲教習所の校歌のようなものだよ。今の親方、関取衆も全員歌ってきたもので、相撲に取り組む力士の決意が歌詞に込められているんだ。一番の歌詞を紹介するね。
盤石の如き 胸板に
鋼鉄の腕
火花散る
攻めと守りの十五尺
鍛える我ら 鍛える我ら
相撲道
とてもいい歌だよ。地方場所では取組開始前に会場で流されているよ。ネットで検索して一度、聞いてみるといいよ。
大相撲中継(毎日新聞出版)は、2カ月に一度の本場所前に発行されている雑誌で、定価は1,300円。「教えて編集長!」はもちろん、魅力的な企画が盛りだくさんです。ぜひ手に取ってみてください。