注目キーワード
  1. 中学受験
  2. 社会
  3. イベント
  4. SDGs
【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

スマホ なぜつくった?【疑問氷解】

Q 「大人は子どもにスマートフォン(スマホ)や携帯は『有害だ』『使い方に注意を』と言いますが、では、なぜ、そもそもそのようなモノを作ったのですか。なくても生きていけるし、さまざまな問題も起こりません。大人の勝手でふりまわされるのはイヤです」(東京都町田市、小2)

便利で危険な道具 使い方次第

 A スマホを使って悪いことをする大人がたくさんいます。大人の一人として謝ります。でも、みんなも大人になると、スマホを使いこなすことになります。

 アルフレッド・ノーベル(1833~96年)は、ダイナマイトを発明しました。おかげでトンネル工事などが安全にできるようになりました。でも、爆弾として使う人間も現れました。便利な発明が危険な発明になってしまった……ノーベルは悲しみ、死ぬ前に「発明や発見などで、人々のためにつくした人に私のお金で賞をあげてください」と言い残しました。それが今のノーベル賞です。発明は、便利と危険の両方の顔を持っています。勝手に見える大人も悩んでいます。

 質問にある「スマホや携帯」を「包丁」に置き換えてみましょう。包丁は、人を傷つけることができます。包丁がなくなっても、野菜や肉をかぶりついて食べたらいいだけで、生きていけます。

 では包丁は悪者なのでしょうか。おうちの料理もレストランの料理も、便利な包丁があって、美しく、おいしくなります。小学5・6年の家庭科では、包丁の扱い方を習います。

 (1)刃先を人に向けない

 (2)台の上に置いて渡す

 (3)持ったまま歩き回らない

 (4)不安定な場所に置かない――など。

 包丁を便利な道具として使うか、危険な道具として使うかは、人間が決めることなのです。

 スマホも、便利であり危険な道具です。包丁の使い方を学ぶように、中学か高校で、スマホの使い方を学ぶとよいでしょう。消費者庁の運営する「消費者教育ポータルサイト」が参考になります。そして、今の気持ちを忘れないで、身勝手な大人にならないでください。【毎日小学生新聞編集部・西村隆】

 

        (「疑問氷解 Vol.9(毎日小学生新聞)」より)