ネット社会を支配? GAFAとは【ニュース知りたいんジャー】

検索、買い物、動画視聴……インターネットは今、私たちの生活に欠かせない存在です。しかし便利な一方で、どんどん大きくなるインターネット企業、中でも「GAFA(ガーファ)」の振る舞いを危ぶむ声があります。詳しく見ていきましょう。【長岡平助】(2020年12月09日掲載毎日小学生新聞より)

◇GAFAって何なの?

インターネットのサービスを提供するグーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社のことで、それぞれの頭文字をとってGAFAと表現します。
 4社はアメリカに本社を置き、世界中で商売をしています。とてももうかっていて、4社の年間の売り上げの合計は、約77兆円(2019年)にもなります。
 企業の大きさや価値をはかる目安の一つに「時価総額」があります。出回っているその会社の株の数と1株当たりの価格を掛け合わせたものです。4社の時価総額は12月1日時点で、合計で約558兆円ほどです。日本を代表する自動車メーカー・トヨタ自動車は22兆円ほどなので、その大きさが分かります。

◇どうしてそんなに巨大に?

 4社に共通するのは、インターネット上の「プラットフォーム(基礎部分)」を提供している点です。プラットフォームを通じて、売る人と買う人や利用者)同士を結びつけているのが特徴です。たとえばアマゾンは通販サイトを通じて、売りたい人と買いたい人を結びつけています。プラットフォームを提供する会社を「プラットフォーマー」といいます。
 4社は、無料もしくは低価格で便利なサービスを提供する代わりに、私たちの個人情報を集めています。名前や住所、年齢などだけではありません。例えば検索サービスなら「いつ何を調べたのか」、SNSなら「いつどんな投稿をしたのか」、通販サイトなら「何をいつどこから買ったのか」といった情報が集められています。これら膨大なデータは「ビッグデータ」と呼ばれます。
 4社はビッグデータをもとに、より利用者の好みに応じた広告や情報を見せたり、新しい商品やサービスを生み出したりして、さらに利用者やデータを増やすという流れを作り、どんどん大きくなりました。

◇全部アメリカの会社なんだね

 アメリカには、自分で会社を作ることを尊重する「起業家精神」が根付いているといわれます。また企業への規制も比較的緩く、新しいことがしやすい環境にあるとされます。このため、チャレンジを求める優秀な人材が世界中から集まってきます。
 日本にもプラットフォームを提供する会社はあります。ヤフーや楽天、メルカリ、ラインなどです。しかしGAFAに比べると規模が小さく、世界展開が遅れています。昨年、ヤフーとラインが同じグループの会社になると発表しましたが、まだまだGAFAには追いつけません。
 中国には、急速な経済発展と13億人を超える人口を背景に、検索サイトの「バイドゥ(Baidu)」、インターネット通販の「アリババグループ(Alibaba)」、SNSの「テンセント(Tencent)」と巨大なプラットフォーマーが3社あります。これらは頭文字をとって「BAT(バット)」と呼ばれています。

◇規制しようという声は?

 これまでアメリカでは、GAFAは成長のもとになる「イノベーション(技術革新)」の中心的な役割を担っているとして、あまり規制を受けてきませんでした。しかし、個人情報の流出をきっかけに、その規模や振る舞いを見過ごせないという声が大きくなっています。10月には、法律を扱う役所である司法省が、グーグルを独占禁止法(反トラスト法)違反の疑いで裁判所に訴えました。圧倒的な影響力を利用して、他の会社を競争に参加できないようにしたというのが理由です。
 日本でもGAFAを警戒する声が広がっています。5月にはGAFAをはじめとする巨大な情報技術(IT)企業の活動を規制する法律ができました。強い立場を使って、取引先に無理な要求をすることなどを防ぐのが狙いです。21年に施行される見通しです。
 ただGAFAは世界規模で商売をしているので、一つの国で規制してもあまり意味を持ちません。多くの国との協力が必要とされます。

◇こんなに大きいと怖い気もするね

 GAFAのサービスは、私たちの生活を豊かなものにしてきました。しかし、いったんサービスを利用すると、他社に乗り換えづらく、プラットフォーマーであるGAFAに情報が集中し、他の会社が競争に参入できなくなる可能性があります。強い立場を利用して、不公正な取引をさせる恐れもあります。
 また個人情報の管理の問題もあります。2018年には、フェイスブックの最大8700万人分もの個人情報が流出して、イギリスの会社で不正に利用されていたことが分かりました。
 加えて税金の問題も挙げられます。会社にかかる税金(法人税)は、一般的に本社などの拠点がある場合にかけられます。しかしGAFAは、拠点を置かずにネットを通して直接商売をすることがあります。このため、きちんと税金をかけられていないのではないかという批判があります。

※写真は「アップル丸の内」で新型アイフォーンの動作を試す来店者=東京都千代田区で2019年9月20日撮影