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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

どう違うの?血液型のなぞ

一般的に、血液型はA型、B型、AB型、O型の4種類あることが知られています。人の血液を4つに分けた血液型は「ABO式血液型」と呼ばれるもので、赤血球の表面にある物質(抗原)の違いによって分けられています。

血液型が重要なのは、輸血をする時です。ケガなどで大量に出血すると命に関わるため、手術の時には輸血が行われます。輸血は、別の人の血を分けてもらい、必要な人へ注射することです。別の血液型の血液を輸血してしまうと、自分の血液との間でアレルギー反応のような副作用が起こり、血管の中で血液が固まって大変なことになってしまいます。そうならないように、輸血を行う時は必ず血液型を調べて、同じ血液型の人の血を輸血します。

「ABO式血液型」は、オーストリアの病理学者、カール・ラントシュタイナーが1900年に発見しました。20世紀のはじめまでは、血液型の存在自体が知られていなかったため、当時の輸血は運が良ければ回復し、血液が合わずに命を落とす人もいるという治療法でした。

ラントシュタイナーは、他人同士の血液を混ぜると、血液が固まる場合と固まらない場合があることに気づきます。その組み合わせを見つけ出し、血液をグループ分けしたのがABO式の血液型です。この発見によりラントシュタイナーは、1930年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

のちに、「MN式血液型」や、輸血に関わるもう一つの重要な分類法「Rh式血液型」も発見しています。いま安全に輸血ができるのは、こうした発見のおかげなのです。(編集部)※写真=議会で血液型検査をしている様子(1943年11月)