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【ニュースがわかる2024年5月号】巻頭特集は10代のための地政学入門

キッチンカー先行発進中【起業家から君へ】

話を聞いたひと 石澤正芳(いしざわ まさよし)さん Mellow(メロウ)代表取締役

週刊エコノミストで連載中の「挑戦者2021」。優れたアイデアや斬新なサービスで世の中を良くしようとする企業の取り組みを紹介しています。本サイトでは、誌面で紹介された「挑戦者」たちがどんな子どもだったのかを聞きました。※エコノミストオンライン「挑戦者2021」はこちら

オフィスビルやマンションでパスタやカレーなど多彩なメニューを提供する移動型店舗「キッチンカー」がにぎわっている。

 小型トラック内で調理したメニューや食品を提供するキッチンカーの営業場所の運営を中心に、キッチンカーの開業支援や移動型店舗の情報発信アプリ「SHOP STOP(ショップ・ストップ)」を開発、提供しています。

 事業者は食品衛生や営業許可、保険加入などの要件を満たした場合に登録(現在約1300台)できます。当社はビルオーナーから借りた場所で曜日ごとに会員事業者に出店を募集し、メニュー構成や価格帯を検討し、配車します。顧客は「SHOP STOP」でメニューなど店舗情報を見て足を運んでもらいます。

 事業者の売り上げの15%を受け取り、その数%をビルオーナーに支払う仕組みです。事業者からの手数料を固定しなかったのは、ビジネスパートナーと考えているからです。売上高が落ちれば、どうしたらいいか支援します。開業のための初期費用はキッチンカーのリースを含めて500万円程度です。

 実は19年ほど前に移動販売車でカフェを1人でやっていました。食品衛生法で定められている許可を取って、路上で移動販売していましたが、その後、駐車違反になる恐れも出てきて営業できる場所がなくなるという壁にぶつかりました。事業者の中にはクオリティーが高く、顧客が喜ぶメニューにこだわり、行列ができる人気店もありました。彼らから「店舗を構える資金はない。でも自慢のメニューを提供したい」という“熱量”を感じました。合法的に営業場所を借りれば、道は開けると思いつきました。

 とはいえ、当時は公園でキッチンカーのイベントもない時代。ビルオーナーのところに行っても会ってもくれない。当時勤めていたイベント会社で現在のビジネスモデルの前身となる事業を始め、5年前に社会的信用力をつけようとメロウを設立しました。

こどもの頃はどんな性格でしたか?

人見知りでおとなしかったです。みんなと同じ集団行動をさせられるのが好きではなく、当時大半の子どもが野球をやる中で、サッカーをするなど「じゃない方」を選択しがちでした。周囲の大人からは「変わっているね」とよく言われていました。

こどもの頃の夢を教えてください。

何になりたいというのはなかったのです。楽しければいいやと思っていました。嫌な仕事はしていたくない、何をやっていくのかが大事だと思っていました。

■こどもの頃によく読んでいた本があれば教えてください。

基本、読みませんでした(笑)。読むとしたら漫画(少年ジャンプなど)くらいです。

仕事をしていてよかったこと、大変だったことを教えてください。

よかったことは、携わったひとから「ありがとう」と言ってもらえること、成長を実感できることです。大変だったことは、今も毎日が大変です。でも毎日が大変だからこそ「よかったこと」をご褒美だと思って頑張ることができます。

子どもたちにメッセージをお願いします。

信念や情熱をもって取り組めば、「じゃない方」でも楽しいですよ。(聞き手=中園敦二 ・エコノミスト編集部)